各銘柄の粗利益率、営業キャッシュフローマージン、ROE、EPS成長率(過去5年平均)を表にまとめました。
※前回のグラフではモーニングスターのデータが米ドル建てとロシアルーブル建てのものが混じっていましたが、今回はEPS成長率は米ドル建てに揃えています。
(ロシアルーブル/米ドルは「世界経済のネタ帳」を使いました。)
過去5年でドル建てEPSがプラス成長だったのは食品小売のマグニト(年率+12.8%)、ダイヤモンド生産のアルロサ(年率+4.6%)、モスクワ証券取引所(年率+9.3%)だけで、あとはすべてマイナス成長になっています。
営業キャッシュフローマージンはMarket Hackの広瀬氏によると15%以あれば良いそうですが、ルクオイルとマグニト以外はこの基準を満たしています。食品小売のマグニトは7.5%ですが、たとえばWMT(ウォルマート)は5.7%、COST(コストコ)は3.7%なので、小売りという業種を考えるとむしろ高い気がします。
成長率が低い一方で、高収益企業が多い印象です。
YChartsによると、ERUSの加重平均ROEは21.79%、加重平均ROAは8.32%です。米国株全体(VTI)がROE19.86%、ROA6.64%であることを考えると、ロシア株の高収益性がよく分かりますね。
ロシアは高金利なので単純にPERを見るだけでなく、イールドスプレッド(長期国債利回り-益利回り)などで判断する必要がありそうですが、それでもやはり今の水準はかなり割安に思えます。
(過去記事:世界各国のイールドスプレッド比較(2018年2月))
ただし、ロシア株はリーマンショックやロシア財務危機など、暴落時には-80%超の恐ろしい下げ方をしています。ロシア株(MICEX指数)のPERの平均値はだいたい10くらいで、リーマンショック前も平均を少し上回る程度だったので、今が低PERでも落ちるときは凄まじく大暴落する可能性があることを覚悟しておいたほうが良さそうです。
(過去記事:ロシア株のPER推移)
よろしければ応援クリックお願いします
コメント