ビットコインとゴールドのボラティリティ


今回はビットコインとゴールドのボラティリティを比べてみました。

※ビットコイン価格(BTC/USD)はFREDのCoinbase Bitcoin (CBBTCUSD)、ゴールド価格(Gold/USD)はGOLDAMGBD228NLBMを使用しました。

ビットコインのヒストリカル・ボラティリティ

まずBitcoin/USDの90日ローリングボラティリティは以下のようになっています。期間は2015/4/19~2021/4/5です。

2017年から2018年にかけて大きく上昇したあと低下し、現在は50~80%程度で推移しています。

ビットコイン版恐怖指数

ちなみにビットコインの30日間のインプライドボラティリティーに基づくT3i・BitVol指数は以下のようになっています。
出典:T3 Index


こちらは2021年初から低下傾向で直近は80程度です。

ゴールドのヒストリカル・ボラティリティ

次はGold/USDです。期間は1968/8/8~2021/4/5です。

ニクソンショック以降右肩上がりで80%近くまで急騰したのち、1990年以降は概ね20%以下で落ち着いています。

ゴールド版恐怖指数

ゴールドETF(GLD)の30日間のインプライドボラティリティーに基づくCBOE Gold ETF Volatility Index(GVZCLS)は以下のようになっています。



直近では17前後で推移しています。

ビットコインとゴールドの恐怖指数比較

ビットコインとゴールドの恐怖指数を比べてみました。期間は2019/1/8~2021/4/7です。

対数表示にすると以下のようになります。

ビットコインの恐怖指数をゴールドの恐怖指数で割った数値の推移です。

2019/5/21の13.1倍をピークに2020/3/9の2.2倍まで下がり続けていましたが、2020年後半からやや上昇し、直近は5倍前後となっています。

ビットコインとゴールドのヒストリカル・ボラティリティ

現在のビットコインとゴールドのボラティリティは比べ物にならないほどの差がありますが、ゴールドもニクソンショックからしばらくの間は非常に高ボラティリティでした。


2015/4/19以降のビットコインと1976/3/18以降のゴールドの90日ローリングボラティリティを重ねると以下のようになります。

高いボラティリティが機関投資家のビットコイン投資の障害となっているという記事はよく目にしますが、ビットコインもゴールド同様に今後はボラティリティが低下することでより広く受け入れられるようになるのか、先行きに注目しています。


また、高ボラティリティのほかに機関投資家の本格的な参入を阻んでいる大きな要因は、膨大な電力消費が環境を破壊しているというESG投資の観点での批判だと思います。


実際は再生可能エネルギーや本来廃棄されるはずだった余剰電力を使っているマイニングも多いため巷で言われているほどではないそうですが、多少なりとも環境に悪いことには違いないでしょうし、槍玉に挙げられて急落する可能性もありそうです。長期的にみれば問題なさそうな気がするので、下落するようなら積極的に買い増ししていこうと思っています。

 過去記事:今後はもう少しビットコインを買い増していきたい




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コメント

  1. 自分は、いわゆる暗号通貨は、モノの裏づけを持たない通貨と解釈していますので、現在購入しておりません。
    もし、暗号通貨が金と同じく広く社会に受け入れられるには、世界大戦でもあって、全ての法定通貨が無価値になるような社会変動があっても価値を維持するといった大きな試練が必要と考えます。

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    1. ビットコインについてはよく「裏付けがない」という話が出てきますが、金本位制時代の貨幣を除くと価値保存手段はすべて裏付けがないものだと思うので面白く感じています。
      ゴールドはシルバーやプラチナに比べると実需(工業需要)が少なく、投機需要(他人に高い値段で売れる)が大きいですが、価値保存手段としては実需よりも投機需要が大きいゴールドのほうが優秀なので、個人的にはビットコインも同様のものになるだろうと考えています。
      一市民としてはいざというときに持って逃げられるか否かという点ではゴールドのような現物資産に比べると圧倒的に有利ということもあります。

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