いままでの世界の延長線上だと大体FIREに必要な資産は分かりやすかったですが、AGI後の世界を考えると途端に基準がとても難しくなってくると思います。
以前はナイーブに生産コストがほぼゼロに向かって下落していくならお金がなくてもいけるのでは?と楽観視していたのですが、そうならない可能性も結構ありそうな気がします。
テクノ封建制っぽい世界では労働の価値が極端に薄くなっている状態で資産が必要なので、社会不安を和らげるための最低限のベーシックインカム的なものがないと、貧困層はホームレス化あるいは超低賃金労働の奴隷的身分に陥る可能性がありそうです。
テクノ共産制的な世界では生産手段は国有化され、人々はベーシックインカムで暮らすことになるので資産は不要になるはずです。日本みたいな国でベーシックインカムがあるかは謎ですが…
他にどのようなものがありうるかをAIと対話していると以下の10シナリオが出てきました。(これとは別に人類滅亡シナリオもあると思いますが、それは考えても仕方ないので。)
1. AGI資本主義(発展・変容型)
- 1a. ハイパーキャピタリズム(テクノ封建制の経済側面):
- 個人の資産は極めて大きな意味を持ちます。 特にAGIそのものや関連する生産手段、データを所有する層は絶大な経済力と影響力を持ちます。資産の有無が生活水準や社会的地位を決定的に左右するでしょう。
- 1b. AGI福祉資本主義:
- 個人の資産は依然として重要な意味を持ちます。 市場経済が機能するため、資産を通じた投資や消費、より豊かな生活の追求が可能です。ただし、ベーシックインカムなどにより基本的な生活は保障されるため、生存のための最低限の資産の重要性は相対的に低下する可能性があります。
- 1c. AGIステークホルダー資本主義:
- 個人の資産は意味を持ちます。 市場経済の枠内で資産運用や消費が行われます。極端な格差は是正される方向かもしれませんが、資産を持つことによる便益は依然として存在します。
2. AGI社会主義・共産主義(テクノ共産制の経済側面)
- 2a. 国家主導型AGI計画経済(テクノ共産制の典型):
- 個人の資産が持つ意味は大幅に薄れるか、制限される可能性が高いです。 生産手段が国有化され、生活必需品が計画的に配給される場合、個人が大規模な資産を私的に所有・運用するインセンティブや必要性が低下します。個人の嗜好品程度の所有は認められるかもしれませんが、それが社会経済的な力を持つことは少ないでしょう。
- 2b. 分散型AGI社会主義/コミュニティ経済:
- 個人の資産の意味合いはコミュニティの設計によりますが、金銭的な私有財産の重要性は低下する傾向にあると考えられます。 共有財産やコミュニティへの貢献が重視されるためです。ただし、コミュニティ内でのみ通用する独自の「資産」や、コミュニティ間の交換のための資産は意味を持つかもしれません。
- 2c. AGIによる最適化経済:
- 個人の資産の意味は、AGIによる最適化の設計思想に左右されます。 もし社会全体の効率を最大化するために個人の経済活動や資産所有が厳しく管理されるのであれば、その意味は小さくなります。一方で、個人のインセンティブや選択を尊重する形の最適化であれば、一定の範囲で資産は意味を持ち続けるでしょう。
3. ポストスカーシティ経済(希少性の消滅と新たな価値)
- 3a. 完全自動化型ギフトエコノミー:
- 伝統的な意味での金銭的・物質的な個人の資産は、ほぼ意味をなさなくなる可能性が高いです。 生活に必要なものの多くが無料で手に入るため、蓄財の動機が薄れます。代わりに、評判、信頼、スキル、知識といった非物質的な「ソーシャルキャピタル」や「知的資本」が重要になるかもしれません。
- 3b. 人工的希少性に基づく価値経済:
- 特定の種類の「資産」は大きな意味を持ちます。 これは、AGIが生み出すユニークなデジタルアート、限定的な体験へのアクセス権、特別なコミュニティへの参加権など、意図的に希少性が付与されたものです。これらの資産は交換価値やステータスシンボルとしての価値を持つでしょう。
- 3c. 経験経済・知識経済の極致:
- 物質的な資産の価値は相対的に低下しますが、「経験」「知識」「スキル」そのもの、あるいはそれらにアクセスするための権利が、個人の重要な「資産」として意味を持ちます。 これらを他者に提供したり、自身が獲得したりすることが経済活動の中心になる可能性があります。
4. AGI混成経済
- 個人の資産の意味は、どの経済システムが支配的であるか、また個人がどの経済領域で活動するかによって大きく異なります。 例えば、一部の領域では市場原理に基づく資産が重要であり続け、別の領域ではギフトエコノミー的な価値観が支配的になる、といった状況が考えられます。
資産が必要そうなシナリオとそうでないシナリオの差がかなり激しいです。
私はコミュニケーション能力が低く、低スキル労働者からFIREしようとしている人間なので、経験とかスキル、評判、信頼みたいな非物質的なものが重要になる世界もあまり向いていなさそうです。そういうのも後からインストールできるようになっていたら良いですが、そこまでできるなら差別化もないので重要になりえないでしょうし。
結局は極端なシナリオよりは「4. AGI混成経済」みたいになるんだと思いますが、LeanFIREでギリギリの無職ライフを送っていたら厳しい状況に追い込まれるリスクもありそうに思えます。
個人的には生きているあいだに義体化とか電脳化とかやりたいのでなるべく技術革新が早く起きてほしいと願いつつ、FIRE計画においては不確実性が高すぎて困っています。
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