「十数年ぶりの円高」みたいなニュースを見て、安直にドルを買ったら儲かるんじゃないかとFXを始めて失敗。外貨預金のような運用のつもりだったのですが、せっかく始めたから短期トレードもやってみようと思ってレバレッジをかけすぎて強制決済を食らいました。
FXは向いていないと思い、でも大して利息がない定期預金にお金を眠らせておくのももったいないなと悩みながら、次に手を出したのはブラジル国債でした。そのうちドル円が反転するときにはブラジルレアル円も一緒に上がるだろうし、利回り10%は魅力的だと思いました。
当時は知らなかったのですが、高金利通貨(ブラジルレアル)は低金利通貨(円)に対して、長期的には下落していくんですよね。購入当時のブラジルレアル円は50円でしたが、去年は27円台まで下がりました。これは今も塩漬け中なのですが、4割の含み損です。
それからしばらくは金融商品からは遠ざかっていたのですが、2013年の夏頃、アベノミクス相場が騒がれてだいぶ経ったあと、遅れて日本株を始めました。
業種を無視して低PERの株を買っていたので、銀行とか輸出企業、商社に偏っていたのですが、市場全体が上昇相場だったので2015年までは日経平均程度のリターンが得られていました。
ところが、2016年に入って、円高の影響を受けやすい外需株、景気敏感株ばかりの私のポートフォリオは日経平均の1.5倍くらいの勢いで損失が膨らみ、さらに2月にマイナス金利が導入され、暴落した銀行株の影響で最大30%の含み損を抱えます。
ちゃんと知識をつけようと思って投資関連の本を読み始めましたが、中でも一番勉強になったのは、有名なジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」です。
中でも下のグラフに衝撃を受けました。
(「株式投資の未来」 ジェレミー・シーゲル著、日経BP社、195ページより引用)
アメリカの株式、長期国債、短期国債、金、ドルの長期的な実質リターン(インフレ調整後)を比べたグラフなのですが、他の資産と比べて株式は圧倒的です。
株式の実質リターンは長期でみると、一貫して6.5%~7%の間で安定するそうです。
株式が国債よりも高リターンなのはアメリカだけではなく、世界各国共通だそうです。
ベスト3はスウェーデン、オーストラリア、南アフリカですが、これらの国の上場企業には馴染みがありませんし、それぞれ単一国に投資できるETFは信託報酬が0.48%~0.64%で個人的には少し高く感じたので、第4位の米国株を中心に投資することに決めました。
さらに、「株式投資の未来」では、成熟した優良高配当株に投資して、配当再投資を繰り返すことで、長期的には市場平均を上回るリターンを得られるということが書かれています。セクター別にみると、有名ブランドの生活必需品、ヘルスケア、エネルギーのリターンが良いそうです。
この本を読んで、含み損の日本株を売却し、生活必需品、ヘルスケア、エネルギーの3セクターに比重を置いた高配当株のポートフォリオを作ることを決意しました。時期的には昨年夏頃から日本株を売却し始め、なかでも銀行株はほとんど底で損切りしたあと、トランプ相場で50%も上がってしまったので、タイミング的には最悪でしたが…
下が現在のポートフォリオのセクター別の割合です。
特に生活必需品セクターは安定した配当が得られることから債券の代替として買われるので、金利上昇にはすごく弱いそうです。トランプ政権下でこれからどんどん金利が上がっていくと、私のポートフォリオも悪影響を受けやすいと思います。
ですが、「株式投資の未来」では、配当再投資は「下落相場のプロテクター、その後の上昇相場のアクセル」だと書かれています。下落相場では配当利回りが高まり、保有株数をより多く積み増せるので、今後の上昇相場でのリターンが飛躍するはずです。
日本株で上昇相場に遅れて飛び乗り、下落相場で狼狽売り、という教科書的な失敗をしてしまったので、今後は保有株を長期保有し、配当はきっちりと再投資していきたいと思います。
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