S&P500はITバブル崩壊やリーマンショック時には減配しています。特にリーマンショック時は-21.07%の減配でした。株価暴落時は同時に急激な円高になることが多いので、円換算した配当金はさらに大きく目減りしてしまいます。
そこで、今回は55年連続増配のディフェンシブ銘柄、JNJ(ジョンソン&ジョンソン)で配当金生活をした場合のシミュレーションを作ってみました。
まず、JNJの増配率と、ドル円の変化率を比較してみます。
1972年12月末時点で円換算配当100万円(当時は1ドル301.66円なので、ドル建てでは3,315ドル)を達成、リタイアしたとします。リタイア後の配当は再投資せず、元本には手をつけないものとして、円換算配当の推移を計算してみました。
※計算を簡単にするため、1年間に受け取った配当はまとめて年末のレートで円に替えるものとしています。 インフレ、税金はややこしいので無視しました。 1972年では100万円だった配当は、2016年には1億3,123万円になります。44年間で131倍、年率換算では11.72%です。配当再投資なしでここまで増えるのは凄いですね。
ちなみにドル建ての配当は同期間で339倍(年率換算では14.16%)になっています。年率2%程度円高になってきているので、円換算配当はドル建ての配当よりも小さくなります。
下グラフはJNJの円換算配当の変化率(前年比)です。前年比でマイナスになったのは1973年~2016年の44年間のうち、9年だけです。
次は同条件で、2007年12月末時点で円換算配当100万円(当時は1ドル111.64円なので、ドル建てでは8,957ドル)を達成、リタイアした場合の推移です。前回の記事で計算したS&P500と比較しています。
S&P500は2010年12月には4割の59万5,000円まで大きく減ってしまいますが、JNJは2008年に1割減の90万円に減っただけで済んでいます。為替が大きく円高に振れているなか、1割程度の減少で留まっているのは素晴らしいですね。 さすが配当王です。また、JNJは株価も安定しています。リーマンショック時の円換算S&P500の下落率は約65%下落ですが、円換算JNJの下落率は44%でした。
(過去記事:リーマンショック時のNYダウ構成銘柄の下落率)
日本で米国株の配当金生活をする場合、為替は予測できないのでどうしようもありません。自信がある場合はFXでヘッジするのもアリかもしれませんが、私はさっぱり分からないので無理です。
コントロールできない為替とは違い、配当はある程度予測がつくと思うので、やはり連続増配記録をもつディフェンシブ銘柄をコアにするのが良さそうですね。
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