ビジョン2030で脱石油依存を掲げ、サウジアラムコIPOを推進するサウジ副皇太子が皇太子に昇格しましたし、今後はIPOに向けて原油価格押し上げようと頑張るのかなと思いますが、原油価格が上がると米シェールが増産するのでどうなるのか分かりません。
今回は石油メジャー株のなかで、原油価格の影響を受けにくい銘柄はどれなのかを調べてみました。
下のグラフはXOM(エクソン・モービル)、RDS.A(ロイヤル・ダッチ・シェル)、BP(BP)、CVX(シェブロン)と原油価格との相関です。
2017年5月ではXOMの相関が最も高いですが、1年平均ではXOMが0.47で最も相関が低く、RDS.Aが0.60で最も高くなっています。
石油メジャーは上流部門(探査、採掘、生産)から下流部門(精製、販売)までを垂直統合で行っています。上流部門は利益率が高く、原油高になると大きな利益を生み出しますが、原油安には弱いです。
下流部門は上流部門よりも利益率が低いですが、原油価格よりも精製マージン(ガソリンなどの石油製品と原油の価格差)によって業績が決まるため、原油安に強いです。
下のグラフは各石油メジャーの2011年~2015年の累積純利益に対する上流部門の比率です。
上流部門の比率はXOMが70.9%で最も低く、CVXが82.1%で最も高くなっています。上流部門比率からみても、XOMが一番安定しているといえそうです。
ベータ値(S&P500に対する感応度)はXOMとTOTが0.65と低く、CVXが1.22で高いです。
※TOT(トタル)はフランス株のADRですが、SBI証券やマネックス証券では買えないです。
配当利回り | 予想PER | ベータ値 | |
XOM(エクソン・モービル) | 3.7% | 17.5 | 0.65 |
CVX(シェブロン) | 4.1% | 19.5 | 1.22 |
RDS.B(ロイヤル・ダッチ・シェル) | 6.8% | 12.5 | 1.13 |
BP(BP) | 6.8% | 13.2 | 0.89 |
TOT(トタル) | 5.3% | 12.1 | 0.65 |
最後に2007年~2016年の年間トータルリターン比較です。原油価格に影響されにくい石油メジャー株なら、やはりXOMが一番安定していそうですね。
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