マレーシア株は配当利回りが高く、現地源泉税が非課税なのですが、私が保有しているEWM(iシェアーズ MSCI マレーシア ETF)は米国のETFなので、米国で10%の現地源泉税が掛かってしまいます。
(過去記事:EWM(iシェアーズ MSCI マレーシア ETF)からの分配金)
米国ETFではなく、個別株を買えば10%の源泉税が掛からないので、今回はマレーシア個別株について調べてみました。
取引手数料
まず、SBI証券の場合、手数料は約定代金の1%(税込1.08%)、最低手数料が76マレーシアリンギット(税込82.08マレーシアリンギット)です。一回の取引で7,600マレーシアリンギット(現在のレートで約21万円)以上買わないと手数料が割高になってしまいます。楽天証券も同じく手数料1%ですが、最低手数料は500円(税込540円)と安いです。こちらは一回の取引で5万円以上買えば手数料率1%になるので、少額ずつ買いたい場合は楽天証券のほうが良いですね。
為替コスト
また、実際に配当金生活をする場合、受け取ったマレーシアリンギットを円転するときのコストが気になります。SBI証券の場合、マレーシアリンギット/円の為替スプレッドは現在±43銭です。今のレートは1マレーシアリンギット=27.9円なので、為替スプレッドは大体1.5%程度です。外貨決済と円貨決済が選べますが、どちらにしても43銭は同じみたいです。取引手数料と合わせて大体2.6%程度掛かると思っておけば良さそうです。
米ドルだと住信SBIネット銀行経由で為替スプレッドは±4銭なので比べると高く感じてしまいますが、米国ETFのEWMは米国で10%の現地源泉税を引かれてしまうことを考えると、1.5%程度の為替スプレッドは全然問題ないように思えます。
楽天証券も同じく為替スプレッド±43銭ですが、円貨決済しか選べないようです。配当金自体も円貨での受取になるようです。売買したり配当再投資の際には二重に為替コストが掛かってしまうので、個人的にはSBI証券のほうが良いかなと思いました。
SBI証券での取扱銘柄
とりあえず良さそうと思ったSBI証券で取扱のある銘柄の一覧です。 配当利回り順に並べています。気になったMBBM(マラヤン バンキング)、BATO(ブリティッシュ アメリカン タバコ マレーシア)、AIRA(エアアジア)、TENA(テナガ ナショナル)の業績を調べてみました。
データはモーニングスターのものを使いました。配当のデータが不正確のようなので、売上高、営業利益、純利益のみをグラフ化しています。
MBBM(マラヤン バンキング)
MBBM(マラヤン バンキング)はマレーシア最大の商業銀行です。過去10年で売上高は年率10.7%、営業利益は年率5.7%、純利益は年率8.0%で成長しています。ただし、発行済株式数が増えており、EPS成長率は過去10年で年率1.4%程度です。
BATO(ブリティッシュ アメリカン タバコ マレーシア)
BATO(ブリティッシュ アメリカン タバコ マレーシア)はBTI(ブリティッシュ アメリカン タバコ)のマレーシア法人です。過去10年で売上高は年率0.4%で成長していますが、営業利益は年率1.3%で減少しており、純利益は横ばいです。
また、粗利益率は20~30%で、親会社のBTIが70%超なのを考えると低いですね。過去10年ではBTIのほうが高成長ですし…
AIRA(エアアジア)
AIRA(エアアジア)はマレーシアの格安航空会社です。過去5年で売上高は年率8.8%、営業利益は年率12.7%、純利益は年率29.9%で成長しています。
TENA(テナガ ナショナル)
TENA(テナガ ナショナル)はマレーシアの電力会社で、東南アジアでは最大級だそうです。過去10年で売上高は年率7.4%、営業利益は年率5.4%、純利益は年率5.4%で成長しています。マレーシアリンギット建てなので割り引いて考える必要がありますが、電力会社なのに高成長ですね。
少し調べてみた感じでは、TENA(テナガ ナショナル)か、配当利回りトップのMBBM(マラヤン バンキング)が良いかなと思いました。
ですが、現地源泉税が非課税かつ高配当が目的なら、英電力株NGG(ナショナル・グリッド)や豪銀行株WBK(ウエストパック銀行)、英銀行株HSBC(HSBCホールディングス)等のほうが安定していますし、あえて高い手数料を払ってマレーシア個別株を買う必要はないかなという気もします。
情報収集もより難しそうですし、とりあえずは10%の現地源泉税を我慢してEWM(iシェアーズ MSCI マレーシア ETF)を買っておこうかなと思います。
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