(過去記事:レイ・ダリオのオール・シーズンズ戦略)
(過去記事:円換算したオールシーズンズ・ポートフォリオ)
私は常に株式比率ほぼ100%なので、資金の一部は安定感のあるオールシーズンズ戦略で運用するのも良いかなと考えています。
ですが、金とコモディティは長期的にリターンを生まないはず(インフレ率並みになるはず)なので、保有し続けるとETF経費率のぶんだけマイナスリターンになると思います。
リスクを抑えるためとはいえ、オールシーズンズ戦略ではポートフォリオの15%を金とコモディティに投資することになるので、個人的に何となく抵抗があります。できれば経費率控除後で少しでもプラスのリターンが期待できるものに投資したいです。
ということで、今回はオールシーズンズ戦略における、金ETFとコモディティETFの代替について考えてみました。
金鉱株ETFとエネルギー株・農業株ETFに置き換えてみる
まず、金ETFはGDX(ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF)に置き換えてみることにします。コモディティETFのGSGはエネルギーが約61%、 農業が約16%なので、XLE(エネルギー・セレクト・セクター SPDRファンド)とMOO(マーケット・ベクトル・アグリビジネスETF)に置き換えます。金と金鉱株、コモディティとエネルギー株・農業株ではリスクが違うので本来なら比率を変えるべきだとは思いますが、難しいことは私には考えられないので、とりあえず比率はそのままで以下の3つのポートフォリオで試してみました。
・Portfolio 1:オールシーズンズ(通常ver.)
IVV(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF)30%、IEF(iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF)15%、TLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)40%、IAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)7.5%、GSG(iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト)7.5%
・Portfolio 2:オールシーズンズ(金鉱株&エネルギー株ver.)
IAUをGDX(ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF)に、GSGをXLE(エネルギー・セレクト・セクター SPDRファンド)に置き換えたもの
・Portfolio 3:オールシーズンズ(金鉱株&農業株ver.)
IAUをGDX、GSGをMOO(マーケット・ベクトル・アグリビジネスETF)に置き換えたもの
期間は2007年10月~2018年1月、リバランスは年2回の設定です。
リターンは金鉱株&農業株ver.>金鉱株&エネルギー株ver.>通常ver.になりましたが、そのぶんボラティリティも高くなり、シャープレシオは通常ver.>金鉱株&エネルギー株ver.>金鉱株&農業株ver.になりました。
思っていたよりも差が小さいですが、リターン以上にボラティリティが高まってしまうので微妙ですね。
TIP(iシェアーズ 米国物価連動国債 ETF)に15%配分した場合
インフレのリスク軽減ということで、TIP(iシェアーズ 米国物価連動国債 ETF)に置き換えてみました。・Portfolio 1:オールシーズンズ(通常ver.)
IVV(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF)30%、IEF(iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF)15%、TLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)40%、IAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)7.5%、GSG(iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト)7.5%
・Portfolio 2:オールシーズンズ(物価連動国債ver.)
IAU、GSGをTIP(iシェアーズ 米国物価連動国債 ETF)に置き換えたもの
期間は2006年8月~2018年1月、リバランスは年2回の設定です。
物価連動国債ver.のほうが高リターンかつシャープレシオも高くなりました。
IAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)に15%配分した場合
ここまでやって気付きましたが、2007年以降のオールシーズンズ戦略ではコモディティが足を引っ張っているんですね。2007年以降では、IAUとGSGに7.5%ずつをIAU15%に変えたほうがパフォーマンスがよくなります。
とはいえ、今のような景気サイクルの終期にはコモディティ価格が上昇するという話もよく耳にしますし、長期的にはレイ・ダリオのオールシーズンズ戦略はよく考えられたポートフォリオなんだと思います。
今回はお遊びでバックテストを試してみましたが、金とコモディティを別のものに置き換えても案外安定したポートフォリオになるんだなと思いました。
結局のところはリスクを抑えたポートフォリオを作るためには債券の比率を高めるのが重要なんでしょうね。
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0 はじめに
返信削除レイ・ダリオのオール・シーズンズ戦略を勉強するために、インターネットを検索してみました。いくつかの疑問点がわきましたので、教えてください。
1 質問1
検索した結果、4~5年前に三菱UFJ信託銀行の方が書いたレポートが見つかりました。
http://www.tr.mufg.jp/houjin/jutaku/pdf/u201409_1.pdf
この文書の "II.米国における実証分析" に書かれている景気循環モデルと対応する金融商品は、レイ・ダリオのオール・シーズンズ戦略と同等であるように見えますが、この認識は正しいでしょうか?
2 質問2
a) レイ・ダリオのオール・シーズンズ戦略のパフォーマンスを評価するためには、単純化された固定ポートフォリオが必要である。
b) 単純化された固定ポートフォリオでも、レイ・ダリオのオール・シーズンズ戦略のパフォーマンスをかなりの精度で評価できる。
ことは理解しています。それらを前提とした上で、、、
レイ・ダリオは実際には、単純化された固定ポートフォリオで運用しているのではなくて、経済の季節に対応して、動的にポートフォリオを入れ替える "動的ポートフォリオ" で運用しているのでしょうか?
とすれば、レイ・ダリオのマネをして資産運用しようとしている者としては、やはり固定ポートフォリオではなくて、動的ポートフォリオで運用しなければならない、のでしょうか?
(参照)http://www.theasymmetricblog.com/where-do-i-start-1/2015/9/9/ray-dalios-all-weather-portfolio
以上、よろしくお願いいたします。
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こんにちは。
削除私は「世界のエリート投資家は何を考えているのか」を読んでオールシーズンズ戦略を知ったばかりですので、ご質問にきちんとお答えできるほどの知識は持ち合わせておりません。
ただ、私なら経済の季節をうまく読む自信は全くないので、季節に応じてポートフォリオを入れ替えたりはしないですね。
もし私がオールシーズンズ戦略を導入する場合は、リターンを高めるためにSPXLやTMFなどを使ってオールシーズンズポートフォリオにレバレッジをかけてみようかなとは思っています。
https://ronaldread.blogspot.jp/2018/01/Ray-Dalio-Portfolio.html
1 はじめに
削除ありがとうございました。
レバレッジ版は参考にさせていただきます。しかし投資の初心者にとっては、レバレッジは、価格が逆行した場合のリスクが大きいのでちゅうちょします。初心者は、レバレッジなし、ブルETFだけ、現物だけ、でいきたいと考えています。
ついでにもう一点、教えてください。
2 質問事項
米国投資の初心者として、次のいずれでいこうか?と迷っています。
a) IVV + IEF
b) 1557 + 1656 (数字は東証コード)
ronaldreadさんなら、どちらを推奨されますか?
米国投資の初心者としては、違いがよく分りません。
3 補足
IEFか、TLTかも迷いましたが、米国10年債利回りは、テレビの経済ニュースで毎日見られる、というだけの理由で、IEF一本にしぼって単純化しました。そうすれば、テレビの経済ニュースを見ながら、景気循環に従って、IVVとIEFの比重を変更していくのは、比較的に容易だと考えました。シロウト考えかもしれませんが、、、
よろしくお願いします。
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上場している取引所が違うだけなので中身は同じですが、売買手数料を安くしたい場合は国内ETF、流動性や安定性を優先したい場合は海外ETFが良いかなと私は思います。
削除国内ETFの場合はドル転する必要がありませんし、手数料も海外ETFに比べると安いです。
また、SBI証券ではアクティブプランを選択すると国内株式・ETFは1日の約定代金合計10万円以下では手数料無料ですし、カブドットコム証券では1557はフリーETFに指定されています。
国内ETFは流動性が低いので指数から乖離しやすいですし、マイナーなETFだと上場廃止の可能性があるのが欠点だと思います。(1557は大丈夫だと思いますが…)
ありがとうございました。一長一短ですね。もう少し考えてみます。
削除蛇足ですが、今日、インターネット検索でレイ・ダリオについての記事を見つけたので、参考までに添付しておきます。
https://zuuonline.com/archives/183499
https://zuuonline.com/archives/183464
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