(過去記事:新興国の国別イールドスプレッド推移)
対象国はVWO(バンガード ・FTSE・エマージング・マーケッツ ETF)の構成比率上位10国の中国、台湾、インド、南アフリカ、ブラジル、タイ、ロシア、マレーシア、メキシコ、インドネシアです。
イールドスプレッドは「10年国債利回り-益利回り(PERの逆数)」で計算しています。
PERはわたしのインデックス「世界各国のPER・PBR・時価総額」、10年国債利回りはInvesting.comのデータを使いました。PERのデータは2009年9月以降なので期間は約9年間です。
中国
イールドスプレッド最小(割安)は-9.29%、最大(割高)は-1.74%、平均値は-5.69%です。
現在(2018年3月時点)は-2.98%なので平均値よりも割高です。
台湾
イールドスプレッド最小(割安)は-7.34%、最大(割高)は-0.94%、平均値は-4.57%です。現在(2018年3月時点)は-5.85%なので平均値よりもやや割安です。
インド
イールドスプレッド最小(割安)は0.69%、最大(割高)は3.66%、平均値は2.33%です。
インドは高金利でPERも常に高めなので、この期間では一度もイールドスプレッドがマイナスになっていません。
現在(2018年3月時点)は2.79%なので平均値よりもやや割高です。
南アフリカ
イールドスプレッド最小(割安)は-0.43%、最大(割高)は4.77%、平均値は2.15%です。
現在(2018年3月時点)は3.22%なので平均よりもやや割高です。
ブラジル
イールドスプレッド最小(割安)は-0.87%、最大(割高)は11.03%、平均値は4.86%です。
ブラジルは金利が非常に高く、2015年~2016年にはイールドスプレッドが一時10%超になっています。
現在(2018年3月時点)は2.58%なので平均よりも割安です。
タイ
イールドスプレッド最小(割安)は-4.52%、最大(割高)は-1.12%、平均値は-3.27%です。
現在(2018年3月時点)は-3.97%なので平均よりもやや割安です。
ロシア
イールドスプレッド最小(割安)は-16.78%、最大(割高)は1.18%、平均値は-8.16%です。
ロシアは高金利ですがPERが常に低いので、イールドスプレッドをみるとほとんどの時期が割安に見えます。
現在(2018年3月時点)は-6.46%なので平均よりもやや割高です。
マレーシア
イールドスプレッド最小(割安)は-3.24%、最大(割高)は-0.24%、平均値は-2.02%です。
現在(2018年3月時点)は-1.86%なので平均よりもやや割高です。
メキシコ
イールドスプレッド最小(割安)は-1.07%、最大(割高)は3.39%、平均値は1.34%です。
現在(2018年3月時点)は1.54%なので平均よりもやや割高です。
インドネシア
イールドスプレッド最小(割安)は-0.97%、最大(割高)は3.89%、平均値は1.69%です。
現在(2018年3月時点)は0.99%なので平均よりもやや割安です。
新興国各国の比較
新興国各国のイールドスプレッドを下表にまとめてみました。平均値が小さい順に並べています。イールドスプレッドの平均値が最も小さいのはロシア(-8.16%)、最も大きいのはブラジル(4.86%)です。
現在のイールドスプレッドから過去平均のイールドスプレッドからを引いた数値をみると、 最も小さいのはブラジル(-2.28%)、最も大きいのは中国(2.71%)です。
ブラジルは2015年~2016年にはイールドスプレッドが一時10%超になっていますが、過去3年のブラジル株(MSCIブラジル)のトータルリターンは年率16.8%と素晴らしいパフォーマンスです。
一方、ロシアのイールドスプレッドは2013年に-15%になっていますが、過去5年のロシア株(MSCIロシア)のトータルリターンは年率1.5%と微妙です。
先進国・新興国の比較
前回の記事で調べた先進国各国のものとあわせて下表にまとめてみました。平均値が小さい順に並べています。ロシア、中国、ドイツ、韓国、日本など人口減少が予測される国はイールドスプレッドが小さく、ブラジル、インド、南アフリカ、インドネシアなど人口増加が予測される国は大きい傾向にあるようです。
今回調べたのは2009年9月以降で株価が底打ちした後、金利が下がっていく期間だけなので、あまり参考にはならないかもしれません。できればもっと長期のデータがあればよかったのですが…
ただ、国によってかなり差があるので、各国の単月のイールドスプレッドだけをみて割安/割高を判断するのは難しそうだなと思いました。
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