【コロナショック】低PER、低PBR、高配当株ほど大幅に下落


ニューヨーク大学アスワス・ダモダラン教授のMusings on Marketsに面白いデータが載っていたので備忘録として残しておきます。
 参考:A Viral Market Update VIII: A Crisis Test - Value vs Growth, Active vs Passive, Small Cap vs Large!

コロナショックでは低PER、低PBR、高配当株ほど大幅に下落

コロナショックでは低PER、低PBR、高配当株ほど大幅に下落したようです。

最もPERが低い2,532銘柄が2/14→3/20では37.00%下落、2/14→5/1では24.77%下落したのに対して、最もPERが高い2,532銘柄は2/14→3/20では24.53%、2/14→5/1では8.62%の下落で済んでいます。また、低PERは赤字銘柄より大きく下落しています。

出典:Musings on Markets

PBRについても同様で、最もPBRが低い銘柄よりも最もPBRが高い銘柄のほうが下落率が小さいです。

出典:Musings on Markets

配当利回りでは市場平均程度の無配当株を除くと高配当利回りほど大幅に下落している傾向があります。

出典:Musings on Markets

ただし、コロナショックの場合はオールドエコノミー株が大打撃を受ける一方でハイテク株は影響が軽微あるいはむしろ追い風となっていたりします。

高PER、高PBR、低配当のハイテク株があまり下がらなかった一方で、低PER、低PBR、高配当のエネルギーや金融セクターが大幅に下落した、というだけかもしれないので、セクターを揃えたらどうなるのかも見てみたいですね。

また、このところはずっとグロース優位が続いているので、過去のバリュー優位だった頃の○○ショックではどうだったのかも気になるところです。
出典:Musings on Markets

世界各国の昨年末のCAPEレシオ・PERと年初来パフォーマンス

世界各国株式でも同様の傾向かどうか調べてみました。

下表は各国の昨年末のCAPEレシオ、PERと年初来トータルリターン(ドル建て)で、トータルリターンの昇順に並べています。
※CAPEレシオとPERはStarCapital AG、年初来トータルリターンは各国のカントリーETFのデータを使用しました。

CAPE
レシオ
PERTotal
Return
YTD
ブラジル19.116.5-53.59%
ギリシャ-3.217.5-44.19%
インドネシア17.720.8-37.53%
メキシコ18.016.0-35.18%
南アフリカ17.613.8-35.09%
オーストリア16.811.6-33.56%
ノルウェー16.319.3-32.08%
スペイン14.515.5-31.71%
ポーランド11.012.5-31.50%
イタリア21.214.4-31.25%
アイルランド58.318.8-29.52%
フランス22.619.2-29.04%
フィリピン18.717.1-28.47%
ロシア7.85.9-28.32%
英国16.515.9-28.18%
オーストラリア19.619.1-27.16%
トルコ8.510.3-26.61%
ベルギー24.017.3-25.99%
ポルトガル17.318.1-24.73%
シンガポール14.112.8-24.69%
インド21.727.5-24.55%
タイ16.818.5-23.80%
ドイツ18.919.9-22.65%
カナダ22.117.3-21.28%
韓国12.716.5-18.85%
スウェーデン22.318.6-18.72%
オランダ26.021.3-16.98%
フィンランド24.122.7-16.80%
マレーシア14.719.9-16.59%
ニュージーランド30.123.4-15.06%
香港15.016.0-14.30%
イスラエル16.321.6-14.07%
米国31.123.0-12.05%
日本22.416.4-11.55%
台湾22.119.2-10.21%
スイス27.123.9-9.55%
中国15.610.9-4.82%
デンマーク34.224.0-4.46%
ハンガリー17.610.6-
チェコ10.213.8-


これはPERやCAPEレシオは関係なく、先進国+中国があまり下がっていない一方で、感染拡大が止まらず大打撃を受けているブラジルを筆頭に脆弱な新興国が大幅に下がっているということしか言えなさそうです。



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