NGE（グローバルX MSCIナイジェリアETF）のディスカウントが縮小傾向

NGE（グローバルX MSCIナイジェリアETF）のNAVに対するプレミアム/ディスカウントは2020/11/18には過去最悪の-31.63%を記録しましたが、その後は縮小傾向にあり、足元では-12％前後で推移しています。

データ元：Global X

NGEが異常なディスカウントで取引されているのは、ナイジェリアでは為替レートが複数存在しているためだと思われます。NGEのNAVを計算するのにどのUSD/NGNレートを使っているのかは分かりませんが、この場合はNAVよりもETF価格のほうが正しいと思います。

　過去記事：MSCIナイジェリア、年初来でACWIをアウトパフォーム＆米国に肉薄するも…

たとえばInvesting.comでUSD/NGNチャートを見てみると以下のようになっています。

出典：Investing.com

一方、ブラックマーケットでのUSD/NGNチャートは以下のようになっています。

出典：NgnRates.com

NgnRates.comによると、2021/6/7時点のNGN/USDレートはブラックマーケットが498/502、CBN（ナイジェリア中央銀行の公式レート）が409.17/410.71、BDC（Bureau De Change：ラゴス公認両替商の実勢レート）が487/500となっています。ブラックマーケットでのナイジェリア・ナイラは公式レートよりも約18％安いです。

出典：NgnRates.com

ちなみに暗号通貨の相対取引所LocalBitcoins.comでは現在1BTC＝1700万NGN前後で取引されており、ビットコイン価格から計算したNGN/USDレートは約520となります。

ナイジェリアは実質金利マイナスが常態化しており、国債や銀行預金だと文字通りゴミ化する状況なのでビットコインが人気を集めているそうです。

※下記記事を書いたときよりはマシになりましたが、それでもインフレ率を大幅に下回っています。

　過去記事：ナイジェリア、実質金利が大幅なマイナスで"現金はゴミ"に

NGEは不人気ですが、割安なナイジェリア株もインフレヘッジとして優秀に思えるので、国内でナイジェリア株投資がもっと普及していけば低調なNGEも上昇していくのではと期待しています。