S&P500の配当利回りチャートはmultpl.comに載っていますが、他の国については良いサイトを知らないので、今回はMSCI指数のグロスリターンとプライスリターンの月次データを基に気になる国の配当利回りチャートを作ってみました。
過去記事:MSCI指数データのダウンロード方法
全世界 vs 新興国
まずは全世界と新興国を比べてみました。先進国は全世界とあまり変わらなかったので除外しました。
これは過去12ヶ月のグロスリターン(配当込み)とプライスリターン(配当抜き)のリターン差を基に計算しているのですが、どれくらい誤差があるのかをMSCI USAとS&P500(multpl.com)の月次データで比較してみると、以下のようになりました。
急騰&急落時には割と乖離が大きくなっていますが、私が知りたいのは昔のだいたいの配当利回り水準なので、これくらいはとりあえず許容範囲かなと思います。米国 vs 日本 vs 英国
米国、日本、英国を比べてみました。
米国は低下傾向ですが、英国は1980年前後はだいたい横ばい、日本は1990年前後のバブル期が異常な低水準だったので、現在は歴史的にやや高めの水準にあります。
中国 vs インド vs トルコ
次は中国、インド、トルコです。
新興国の配当込み指数は先進国とは計算方法が違うのか、かなり見辛いチャートになってしまいました。
6ヶ月移動平均にすると以下のようになりました。
ロシア vs ナイジェリア
最後は配当利回りが高いロシア、ナイジェリアです。
これも先ほどと同様に6ヶ月移動平均チャートにしてみました。ロシアとナイジェリアは現在ではかなり高利回りですが、2005年頃は2.5%前後とかなり低く、特にロシアは2000年前後は1%未満だったようです。各地域・各国の配当利回りまとめ
各地域・各国の配当利回りをまとめてみました。現在の配当利回りは2021年8月末のMSCIの数値です。
(なお、全世界と新興国は1998年12月以降、米国、英国、日本は1970年12月以降、中国、インド、トルコは1994年5月以降、ロシアは1996年5月以降、ナイジェリアは2003年10月以降のデータです。)
箱ひげ図を作ってみました。
現在の配当利回りは全世界は12パーセンタイル、新興国は16パーセンタイル、米国は4パーセンタイル、日本は66パーセンタイル、英国は41パーセンタイル、中国は5パーセンタイル、インドは4パーセンタイル、トルコは84パーセンタイル、ロシアは74パーセンタイル、ナイジェリアは89パーセンタイルの水準にあります。
過去と比較すると米国、中国、インドは配当利回りが極端に低く、ナイジェリア、トルコ、ロシア、日本は配当利回りが高いです。
全世界と新興国は期間が短く、米国、日本、英国は期間が長いので同じグラフにまとめるのは不適切かもしれないので、期間を2003年10月以降に揃えると以下のようになります。
期間を揃えるとロシアとナイジェリアの振れ幅の大きさが目立ちます。
精度は良くないですし、昔と今では経済構造が変わっているので単純に過去と比較することはできませんが、配当利回りでみると多くの国に過熱感があるなかで、過去と比べてかなり高利回りのナイジェリアやトルコ、ロシアには妙味があるのではと思っています。
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