債務上限問題で米国債が格下げされると長期金利が上昇するリスクがある、という話をTwitterで見かけました。
しかし、2011年8月5日にS&Pがアメリカの長期発行対格付けを最上位のAAAからAA+に引き下げた際には長期金利は低下しました。
米国債が初めて最上位の格付けを失ったショックによってリスクオフの金利低下と株価下落が起こったという感じですね。とはいえ株価は比較的早くに戻っていますが。
先進国各国の国債格下げと長期金利の動き
ということで、今回は先進国の国債格下げと長期金利の動きを調べてみました。
ポルトガル、ギリシャ(2011年3月29日)
ポルトガルとギリシャは格下げを受けて上昇しました。
その後さらに急騰しましたが、2012年以降は低下トレンドが続き、コロナショックではどちらも0%台まで下がりました。
フランス、オーストリア、スペイン、イタリア(2012年1月13日)
フランス、オーストリア、スペイン、イタリアは格下げ後は下落、フランスとオーストリアはその後も低下し続け、スペインとイタリアは一旦上昇したあとに再度下落しました。
イギリス(2013年2月22日)
イギリスも低下。
オランダ(2013年11月29日)
オランダも低下。
フィンランド(2014年10月10日)
フィンランドも低下。
日本(2015年9月16日)
日本も低下。2016年1月にはマイナス金利政策導入で長期金利もマイナスに突っ込みました。
(1998年末の金利上昇は格下げというよりは小渕政権の積極財政路線によるものも大きかったようですし、最初のムーディーズの格下げもそれほど大した影響はなかったのかもしれません。)
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