S&P500の益利回りと長期金利


株式益利回りと長期金利の差のことをイールドスプレッドといいます。


一方、株式リスクプレミアム(エクイティリスクプレミアム)は株式の期待リターンから長期金利を差し引いたものですが、期待リターンは直接観測することができないため、イールドスプレッドのことをリスクプレミアムと呼ぶことが多いと思います。

 過去記事:日米の株式リスクプレミアムの推移

S&P500の益利回りと長期金利

近年はS&P500の益利回り>長期金利が定着しているので、益利回り低下&長期金利上昇でリスクプレミアムが圧縮されて割高になっている、みたいな話をよく見かける気がします。


しかし、もっと長期をみてみると、時期によって今と同じで益利回り>長期金利が普通だったこともあれば、長期金利>益利回りが普通だった時期もありました。

データ:multpl.com

1965年頃まではほぼ益利回り>長期金利でした。

データ:multpl.com

1960年代後半から1970年前半までは拮抗しており、1970年代中盤から1980年頃までは再び益利回り>長期金利となっています。

データ:multpl.com

1980年頃から2003年頃まではほぼ長期金利>益利回りでした。

データ:multpl.com

長期金利>益利回りは珍しいといえば珍しいですが、20年超は続いていますし、またこの期間はS&P500にとってかなり良い時期でした。

 過去記事:米国株(S&P500)の10年・20年・30年・40年・50年・60年ローリング実質リターン


そして2004年頃から現在に到るまではリーマンショック時を除くとほぼ益利回り>長期金利となっており、特にリーマンショック後はその差が顕著です。

データ:multpl.com

スプレッドはこうなります。

データ:multpl.com

足元の益利回り>長期金利は景気後退期の一時的なものを除くと当面逆転することはなさそうに思えますが、グローバルな高齢化によって金利上昇トレンドに入っている説が正しければ再び長期金利>益利回りが当たり前の時代がくるのかもしれません。

 過去記事:高齢化は金利低下要因なのか、上昇要因なのか




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