各国の準備金とゴールド、ビットコイン


Bitcoin 2024カンファレンスでトランプ氏は事前報道通り、アメリカが保有するビットコイン(シルクロード等から没収したもの)を売却せずに準備金にすると言ったそうです。

本人は大して興味がなさそうな雰囲気がかなりありますが、シンシア・ルミス上院議員は具体的に5年間で100万BTCを購入、陰謀論者のロバート・ケネディ・ジュニア氏は自分が大統領になったら400万BTCまで毎日500BTCを購入すると発表しました。

100万BTCは発行上限2,100万BTCの4.76%、400万BTCは同19.05%です。100万はなんとかなりそうでも400万は流石に現実的には無理そうですね。

ちなみに現時点でビットコインを最も多く保有している国はアメリカ(213,246BTC、発行上限の1.015%)、次いで中国(190,000BTC、同0.905%)、イギリス(61,000BTC、同0.290%)、ウクライナ(46,351BTC、同0.221%)、エルサルバドル(5,800BTC、同0.028%)となっています。マイクロストラテジー(226,331BTC、同1.078%)が一企業でこれだけ保有しているのが改めてインパクトが大きいです。

出典:Bitcoin Treasuries


一方、World Gold Councilによると、2023年末時点で地上に存在するゴールドの総量は212,582トンです。
出典:World Gold Council

内訳はジュエリーが96,487トン(45%)、バー・コイン(ETF含む)が47,454トン(22%)、中央銀行が36,699トン(17%)、その他が31,943トン(15%)となっています。

各国中銀が保有する金準備と、地上に存在するゴールドの総量に対する比率は以下のようになっています。


一番多いアメリカが3.83%、次いでドイツ1.58%、イタリア1.15%、フランス1.15%、ロシア1.10%、中国1.06%、スイス0.49%、日本0.40%、インド0.39%、オランダ0.29%となっています。

ビットコイン準備金が今のアメリカのゴールドと同じ程度の比率になるには約804,300BTCということになります。

ですが、アメリカはピーク時には2万トン以上保有していたみたいなので、当時地上に存在していたゴールドの1/4程度にも達していたようです。




ビットコインに置き換えると525万BTCとなるのでこれは今から確保するのはやはり無理そうです。

永久に失われたBTC(仮に370万BTC)とすると430万BTCなので、ロバート・ケネディ・ジュニア氏の400万BTCはこれに近い数値になります。

ビットコインはゴールドに比べると国家によって所有されている比率は非常に低く、個人の比率は6割近いのでゴールド並みの大量保有をしようとすると大統領令6102号みたいにビットコインの個人所有の禁止に踏み切るとか、エルサルバドルみたいに法定通貨化して税金をビットコインで支払わせるとかでもしないと難しそうな気がしますね。



IBITをはじめビットコイン現物ETFの規模は間違いなくこれからも大きくなっていくでしょうし、トランプ氏が勝利するかどうかに関わらず長期的には企業や国家による所有も増えるでしょうから個人の比率は漸減していくのだと思いますが、気持ち的には個人の比率はあまり減らないといいなと思います。



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