レイ・ダリオのオールシーズンズ・ポートフォリオには長期国債が40%も含まれているため、金利上昇に転じたあとはパフォーマンスが悪化しており、最近ではあまり話題にならなくなっているように思えます。私も存在をすっかり忘れていました。
過去10年を振り返ると、コロナショックを無風で乗り切ったところまでは良かったものの、インフレ調整後ではそのあたりがほぼピークでS&P500に対して大幅に遅れをとっています。
出典:Portfolio Visualizer |
特に2022年はS&P500よりも悪い20%近いドローダウンを記録しています。オールシーズンズPFは2008年で-3.93%、世界恐慌でも-20.55%で済んだそうなので、2022年は世界恐慌並に悪い一年だったということになります。
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高インフレ&金利上昇の1970年代でさえもゴールドとコモディティの寄与のためか平均リターンは9.68%、損失を出したのは1年だけだったそうなので、2022年はかなり特異的だったようです。
こうやってみると債券の足の引っ張りっぷりがよく分かります。
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オールシーズンズPFの不調をみると、トラックレコードが良くて堅牢に見えても将来もうまくいくかは分からないんだなと改めて思いますね。
いくらトラックレコードが良くても…と言ったそばからですが、最近レイ・ダリオはハードマネーとしてゴールドやビットコインを推奨したらしいので、ビットコインを少量加えた版も作ってみました。ゴールド:コモディティ=7.5%:7.5%→ゴールド:コモディティ:ビットコイン=6%:6%:3%としています。
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S&P500を若干上回るシャープレシオになりましたが、リターンはS&P500にはやはり負けています。
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今回の記事とは直接関係ないですが、Ronaldさんはハイテク株>米国株>非米国株のリターンが今後も続くと思われますか?またゴールド>他のコモディティ、BTC>他の仮想通貨とお考えですか?
返信削除私は山崎元さん信者でありますが、過去のリターンに引っ張られて株はややハイテクより、ゴールド、BTCも保有しています。他のコモディティを買わない、オルカン一本にしない理由を自分で説明できないので、お考えを伺いたいです。(ゴールドやBTCの期待リターンについての過去記事は拝見しました)
ハイテク株>米国株>非米国株は向こう10年とかだと逆転する可能性もかなり高いんじゃないかなと思っていましたが、AIの影響がどれだけ大きいのかは全く分からないので案外逆転しない可能性もあるのでは…と最近は思っています。
削除ゴールドとビットコインについては長期で見れば他をアウトパフォーム、特にビットコインは確度が高いと思っています。
期待リターンの記事の通り、ビットコインは成熟後は今のゴールドの希薄化がない版みたいな感じに落ち着くと考えていますが、それまでは株式を超えるボーナスステージ的な高リターンが続くと思っています。
多すぎる債務のせいで高インフレ高金利が続くために長期債はよくないという意見も多いので、PFのリスクリターン改善のために株式との相関の小さいビットコインやゴールドを加える意義は大きいのではと思います。
(ゴールドは期待リターンが低いと思っているので個人的にはビットコインのほうが好きですが…)