高齢化が進む先進国では、退職者が必要とする財・サービスを誰が生産し、退職後に売却される資産を誰が購入するのか、という問題があります。
ジェレミー・シーゲルは『株式投資の未来』のなかで、途上国の労働者にとって先進国の資産は魅力的であるため、成長著しい途上国の若い労働者が生産を担い、先進国の退職者から資産を買い取る「グローバル・ソリューション(世界的解決)」が解決してくれるだろうと楽観視していました。
しかし、2020年代に入ってからはロシア・ウクライナ戦争を受けて西側諸国が対ロシア制裁で外貨準備を凍結するなど金融システムを武器化し、非西側諸国中銀のドル資産売却とゴールド購入を後押しすることになったと思います。
さらに第二次トランプ政権になってからはドル資産離れに拍車がかかっているように思われ、また(どこまで本気なのかは謎ですし実現可能なのかどうかはさておき)米国債などドル資産を保有する海外投資家に課税するという噂が流れたりもしています。
このままアメリカが権威主義的帝国のように振る舞い、世界がブロック経済化していくのだとしたらシーゲルの「グローバル・ソリューション」は機能しなくなり、高齢化する先進国の資産の買い手はいなくなる恐れもあるのではと最近は思っています。
個人的にはそういう問題も含めてAGI実現後はなんとかうまく解決(あるいは人類が絶滅してそんな心配をする必要がなくなる)するので大丈夫かなという気もしているのですが、ブロック経済化しているとAGI後の世界が素晴らしいものになったとしても出遅れた国は悲惨なことになるようにも思えてあまり楽観視はできないのではとも思っています。
日本みたいに特に激しい少子高齢化が進む国におけるFIREにとってブロック経済化は致命的だと思うので最近の流れについては非常に懸念しています。
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