金本位制時代の対GDP比のゴールド時価総額を概算してみる


全世界のGDP比でみると、現在のゴールドの時価総額は1980年のピークよりも高い水準にあります。

 過去記事:対GDP比のゴールド時価総額、1980年のピークを突破してしまう


ズレがあったとしても1969年以降で最高水準まできていることは間違いないと思うのですが、全世界の名目GDPのデータは古いものがないため、今回はアメリカの名目GDPデータを使って作ってみました。
(アメリカの名目GDPはMeasuring Worth、ゴールド価格はNational Mining Association、ゴールドの地上在庫はOur World in Dataのデータをもとに計算しています。)

1900年以降では以下のようになります。
現在の水準は1980年のピークは超えているものの、金本位制時代のピークは一応下回っているようです。


全世界のGDPに占めるアメリカのシェアが低かった1900年以前ではこんな感じです。
ただし、1800年代後半までは全世界のGDPに占めるアメリカのシェアが10%未満と非常に低かったため、全世界のGDP比ではもっと低い数値になるはずです。

出典:Wikipedia

LLMで上図のUSAの数値を大まかに読み取ったシェアを使って補正し、前回の記事で作成した1969年以降の数値とつなげて、金本位制時代から現在までの対全世界GDP比のゴールド時価総額を概算してみました。
過去約190年間の対全世界GDP比のゴールド時価総額は3%~43%と凄まじく変動が大きくなっています。

金本位制下では法定通貨建ての価格が固定されている一方で名目GDPは増加していくので価格が改定?されるまでのあいだは右肩下がりが続いていくということだと思いますが、(どれくらいズレがあるかは分からないとはいえ)1830年代でも40%程度だったんですね。

なんとなく金本位制だとゴールド時価総額は全世界の名目GDPと同じくらい必要なのではと思っていたのですが、現実にはもっと低かったようです。

こうやって眺めてみると現在の水準はやはり米ドルが基軸通貨の地位を維持する前提では異常な割高ということになりそうです。

逆に基軸通貨としての米ドルが崩壊した場合には1トロイオンス6,000ドルくらいまでは上昇するのかもしれません。

デジタルゴールドとしてのビットコインの上値余地は、米ドル崩壊&ゴールド侵食シナリオで、たとえば2030年時点の全世界の名目GDPを145兆ドルとすると1BTC130万ドル~260万ドルくらいということになるのかなと思います。



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