AIによる産業爆発下での株式セクター



AIの今後について、AGI→知能爆発(Intelligence Explosion:AIが自分自身を改良し続け、急速に超知能に進化する)→産業爆発(Industrial Explosion:産業の生産性や規模が爆発的に拡大する)みたいな流れなのかなと思っていたのですが、順序としては産業爆発のほうが先に来ると考えられているようです。

 参考:シンギュラリティサロン:「産業爆発はいつどのように起きるのか」ゲスト: bioshokさん


AGIは近いうちにできるはずで、またAGIができなくても労働者を置換できるだけで経済成長率は大幅に上昇し得ることを踏まえると、産業爆発は世間で考えられているよりもかなり早く到来する可能性が高いのかもしれません。あまりに早すぎると規制が強まりそうとはいえ、どこかの国や団体が抜け駆けするリスクがあまりにも高いのであまり減速しそうなイメージがないです。


今まではなんとなく産業爆発みたいなものは生きているあいだに来るとしてもかなり先で現実味もなく、そのときには強烈なデフレになっているでしょうしお金がなくて困ることはないかなあみたいにふわっと考えていたのですが、もっと早く来る可能性がそれなりにありそうなのでそのつもりでいたほうが良いかなと最近では思っています。


超デフレでほとんどのものはほぼ無料で入手できるみたいな世界であれば別にお金の心配をする必要はないですが、そうならない場合に備えて資産をどう振り分けるかを考えておいたほうがいいのかなあと。


私は今まではディフェンシブセクターとして生活必需品をオーバーウェイトしてきたのですが、産業爆発シナリオにおいては人間の消費量には上限があるのでコスト削減で利益率が上昇するとしても恩恵は限定的なように思われ、たぶんテクノロジー等高成長セクターに比べると長期的に相当アンダーパフォームしそうな気がします。


期待リターン=配当利回り+EPS成長率として、たとえば直接的に恩恵を受ける高成長セクターでは20-30%(配当利回り0-1%+EPS成長率20-30%)とかになったとして、人間がボトルネックになる生活必需品等低成長セクターとの格差はどうやっても埋まらない気がするんですよね。

(期待リターンが今までと同じだったとしたら産業爆発で成長率が期待リターンに近づくと株価=EPS/(期待リターン-EPS成長率)は無限に高くなってしまうので、そうした世界では期待リターン側がもっと高くなって調整されるのだと思いますが、たとえば生活必需品株が配当利回り20%とかになるのはなかなか考えにくいように思えます。)


同じディフェンシブ内ではヘルスケアは生活必需品よりは有望そうとはいえ、やはり結局は人間の数がボトルネックになるので、経済規模と同等のペースで拡大しそうな電力需要の恩恵を受ける公益セクターがディフェンシブとしては一番有望そうです。


公益セクターでは純利益がレートベース×認可ROEのペースで増加するとして、電力需要に応じてレートベース増分だけ純利益は増えるかと思いますが、それでも大規模な設備投資を賄うための希薄化(増資)と新しい発電所が稼働するまでのラグでEPS成長率は経済成長率にかなり劣後しそうではあります。


テクノロジーが最も恩恵を受けるはずとはいえ不確実性はかなり高そうですし、あとは資本財も自動化需要で強そうではありますが、ディフェンシブではやっぱり公益が一番無難そうかなと。


あとは銘柄間の格差がめちゃくちゃ大きくなりそうなので、ビットコインやゴールドのようなSoVの時価総額はたぶん経済規模と同じペースで成長しそうなので手堅いと思っています。

(個人的には産業爆発シナリオではゴールドの希少性は怪しくなってくると思っているのでビットコインのほうが良いと思っていますが、先の話でしょうから別にゴールドでも問題なさそうな気はします。)


債券は最初は超大規模な投資で金利上昇であとはデフレで金利低下とかですかね。いずれにせよリターンは限定的なので成長率が爆発的に上昇するなかでは取り残されそうです。


産業爆発シナリオを考えると株式ではどこまで成長を取り込めるかは不透明なのでビットコイン脳死ホールドが私にとっては一番安心かもしれません。




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