世界大恐慌


ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」によると、ダウ平均が下落後、高値を回復するまでの期間が一番長かったのは、世界大恐慌(1929年9月~1954年11月)の25年です。
リーマンショックのときは高値回復まで3年9カ月だったので、25年というのは気が遠くなるほど長い期間に感じてしまいます。

大恐慌では90%以上値下がりした銘柄も多く、借金して株を買っていた投資家の多くは破産してしまったそうです。
しかし、配当を再投資する長期投資家にとっては、大恐慌は決して悪いものではありませんでした。

下は1929年9月~1954年11月の実際のS&P500のトータルリターンと、大恐慌がなかったifの世界のトータルリターンとの比較です。
※大恐慌がなかった場合とは、1929年の暴落が起こらずに株価は横ばいで推移し、配当も大幅に減らずに順調に増え続けたという仮定です。



(「株式投資の未来」 ジェレミー・シーゲル著、日経BP社、160ページより)


大恐慌があった現実では、1929年9月に投資した1,000ドルは1954年11月に4,440ドルに増えましたが、大恐慌がなかった場合は2,720ドルにしかなりませんでした。

これは大恐慌で配当が55%減少したとき、株価はさらに大幅に下落したため配当利回りが高まり、配当再投資で保有株を多く積み増すことができたおかげです。
株価が低迷している間により多くの保有株を積み増すことにより、株価が回復する局面では大きなリターンを得ることができました。

反対に大恐慌がなかった場合は、配当も株価も下がらなかったので配当利回りは低くなり、配当再投資で積み増せる株数が少なくなります。

このことから、暴落は配当を再投資する長期投資家にとっては、大きなリターンのチャンスと言えそうです。

ジム・ロジャース氏によると、2017年はリーマンショック以上の金融危機が来る可能性もあるそうです。
大恐慌のように株価が90%以上下落というのは相当な精神的ダメージを受けそうですが、そんなときでもめげずに淡々と配当再投資と給料からの追加投資を続けていくつもりです。 





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コメント

  1. フィリップグレアム2017/01/22 12:17

    ミスターマーケットが、悲観にくれている時が一番の投資のチャンスなんですよね。
    今は、ミスターマーケットが上機嫌で踊ってるようにしかみえませんが…

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  2. フィリップグレアムさん、こんにちは。
    ミスターマーケットが上機嫌なときのほうが難しいですよね。
    私は常にフルインベストメントを維持する方針なのですが、今みたいなときは迷いが生じてしまいます。

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  3. フィリップグレアム2017/01/22 21:48

    米国債に注目してます。
    トランプ政策→ネガティブ
    FRBの利上げ→ネガティブ
    中国の保有割合低下→ネガティブ
    利回りが良くなってきたら、
    購入を考えています。
    ETFのSHY,IEF,VGITです。
    市場がクラッシュしたら売却、
    欲しい銘柄の購入する予定です。
    個別株では、HRBに注目してます。
    元?バフェット銘柄です。
    過去に素晴らしいリターンを上げた、
    GDと同じ事をしようとしてます。
    GDについては、グリーンブラッドの投資手法、破天荒な経営者という本に詳細があります。参考にして下さい。
    あとは、ディフェンシブ銘柄のJNJ,WMT,MCDも割安なれば、購入予定です。

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  4. HRBという会社自体、初めて知りました。
    中核でない事業を売却して、株主に還元するということでしょうか。
    HRBの自社株買いについての2015年の記事に、銀行部門を売却したことで自己資本規制の対象でなくなったと書かれていましたが、たしかに2年間の自社株買い利回りは凄いですね。
    私は今年最初の新規購入はJNJにするつもりです。
    タイミングをうまく計れる気がしないので、私の場合は割安になるまで待たずに給料が出たらドルコスト平均で買い増していく感じなのですが…

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  5. フィリップグレアム2017/01/23 9:07

    10-K会社発表の自社株買い枠使い切ると、今の株価でいけば、25%の株式数が減る計算です。クレイジーです。笑
    計算間違いしてたらごめんなさい。
    モーニングスターやヤフーでみるとすごい勢いで減らしてます。しかも進行中です。できるならば株価が低迷して欲しいです。
    購入法ですが、グレアムも著書の中で、(私じゃないですよ笑)
    ドルコスト平均法に優るフォーミュラはないとしてます。そこで今年は、ドルコスト平均法とタイミング手法を組み合わせた方法を試したいと思ってます。
    名付けて、自動買上式ドルコスト平均法+モーサテ池谷さんです。
    例えば、10万円/月分を購入するとします。最初の2週間の間に安いなと思った時に半分買い、なかったらそのままスルーします。次の2週間で安い機会があれば購入枠を使い切る。なかったら月末に自動買上げです。
    私は、MR.マーケットの指標として、モーサテ池谷さんを参考にしてます。市場が上がってる時は、明るい表情ですし、急落した時は、何と無く暗いですね。またクラッシュした時は、NYSEの取引現場まで行きますね。池谷さんが現場に行く事態になれば積み立てたキャッシュ+米国債で欲しい銘柄を全開で買おうかなと考えています。

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  6. この2年くらいでも20%弱株式数減っていますよね。
    さらに25%ですか…凄まじいです。
    米国株は株主還元がアグレッシブ過ぎて、日本株から転向してくると驚きますね。
    自動買上式ドルコスト平均、良さそうですね。
    手数料が最低5ドル掛かることを考えると、10万円を半分ずつだと手数料率が1%を超えてしまうので、私の場合は一カ月のどこか安いと思ったときに10万円全額投入、なかったら月末に自動買い上げという感じがいいかもしれません。
    モーサテ池谷さん指標、面白いですね(笑)
    私はモーサテの時間はいつも熟睡中なので観れませんが…

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  7. フィリップグレアム2017/01/25 1:36

    たびたびすみません。
    今、マネックスの手数料無料キャンペーンは、ヨダレが出る好機です。何回買っても全額キャッシュバックですからね。前日比で下がった度に買ってもタダです。笑
    私は、その企業のオーナー、経営者になった気分で株を買います。業績や競争力がしっかりなのに何で下がるの?こりゃ自社株買いの効果が大きくなるなって感じで。暴落時に持株が下がった方が良いと言うとあいつ負け惜しみ言ってる思われます。でも実際は優良株にとっては逆なんですよね。ただ、きっちり持株を深く調査し常に見張っていなければできませんがね。だから自分は、1銘柄の調査購入あるいはボツになるまで1ヶ月位かかります。新規は半年に1銘柄程度で、保有銘柄数も8個位が限界です。

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  8. マネックスの手数料無料キャンペーン、素晴らしいですよね。
    米ドル購入手数料ままでキャッシュバックしてくれるのは有難いです。
    保有銘柄をきっちり管理するなら8銘柄でも大変そうですね。
    私はまだ銘柄分析がちゃんとできていないので、1つの銘柄で失敗しても影響を小さくするために30銘柄以上に分散しています。
    将来的にはもう少し集中させるつもりなのですが…

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