残りの50%はリターン補完戦略として、高配当戦略(S&P500の配当利回り上位20%等)、グローバル戦略(S&Pグローバル100等)、セクター戦略(ヘルスケア、生活必需品、エネルギー)、バリュー戦略(低PER等)に各10~15%配分というのが推奨ポートフォリオです。シーゲル教授はDividend、International、Valuationの頭文字をとって、「D-I-V指針」と呼んでいます。
(「株式投資の未来」 ジェレミー・シーゲル著、日経BP社、291ページより引用)
「株式投資の未来」を読むと、高配当株、生活必需品、ヘルスケアセクター等の個別株にばかり投資したくなります。「シーゲル派=高配当戦略」というイメージがありますが、推奨ポートフォリオでは50%が世界株式インデックスファンドです。
シーゲル教授の推奨ポートフォリオ通りに運用するには以下のようなETFを使うことができるので、個別株を選択する必要はなさそうです。
・世界株式インデックスファンド
VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
・高配当株
HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株ETF)
VYM(バンガード米国高配当株式ETF)
・グローバル戦略
IOO(iシェアーズ グローバル 100 ETF)
・セクター戦略
VDC(バンガード・米国生活必需品セクターETF)
VHT(バンガード・米国ヘルスケア・セクターETF)
VDE(バンガード・米国エネルギー・セクターETF)
・バリュー戦略
VTV(バンガード・米国バリュー ETF)
BRK.B(バークシャー・ハサウェイ)
一方、私のポートフォリオではVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)を10%程度保有していますが、リターン補完戦略を恣意的に解釈した個別株が85%を占めているので、推奨ポートフォリオからはかけ離れています。
推奨ポートフォリオに近づけるためには、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)の保有割合を引き上げないといけませんが、このETFは配当利回りが2.3%しかありません。配当金生活を目標としている私にとっては、2.3%の配当利回りは少し物足りなく感じてまうのも、個別株投資をしている理由のひとつです。
個別株で分散投資をする場合、含み損の銘柄を売却して配当と相殺するタックス・ロス・セリングをしやすいのも大きな理由です。
低コストといえどもETFは年に0.1%前後の信託報酬(IOOだと0.4%)がかかってしまうので、これを節約したいというのもあります。例えば運用資産1,000万円で信託報酬0.1%の場合は年間1万円の信託報酬を支払っていることになりますが、年収200万円台の私からするとこれは少し高く感じてしまいます。
あとは個別株を保有しているほうが所有欲が満たせるという趣味的な動機もあります。個別株のことを色々調べたり、証券口座にログインして配当金をチェックするのも楽しいです。
そういう訳で私はリターン補完戦略に当てはまりそうな個別株を中心に投資しています。生活必需品セクターの比率が高く、ポートフォリオ全体のPERが高めになってしまっているので、今後は低PERの銘柄の比率を増やしていきたいと思っています。
2017年9月18日追記
シーゲル教授の推奨ポートフォリオをETFreplay.comのバックテストで検証してみました。無料では5つのETFしか登録できないので、以下の3パターンを作りました。
・セクター戦略を生活必需品にした場合(2008年7月8日~2017年9月15日)
・セクター戦略をヘルスケアにした場合(2008年7月8日~2017年9月15日)
・セクター戦略をエネルギーにした場合(2008年7月8日~2017年9月15日)
3パターンともSPY(S&P500)に大負けしていますね。敗因はポートフォリオの50%を占めるVTが低リターンだったためです。この期間は全世界に分散投資するよりも、米国のみに集中投資したほうが高リターンでした。
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