貸株サービス


昨年はETF信託報酬の引き下げ競争が激しかったと思います。
バフェットお勧めのバンガードが最安というイメージを持っていたので、ブラックロックのS&P500ETF(IVV)が0.07%→0.04%に引き下げられたのには驚きました。(バンガードのVOOは0.05%)

その関連記事で知ったのですが、ETFは信託報酬で稼がなくても貸株収入があるので、信託報酬は0%まで引き下げることができるそうです。
私が個別株投資をしている理由のひとつは信託報酬の節約なのですが、本当に0%になったら敢えて個別株を保有している意味が薄れてしまいそうです。

私はマネックス証券とSBI証券で米国株を保有しているのですが、SBI証券では米国株の貸株サービスがあります。
SBI証券で保有している銘柄の貸株金利はすべて0.01%だったので検討していませんでしたが、調べてみると2/3現在では最高で2%の金利が適用されているものが11銘柄ありました。



適用日銘柄名銘柄コード市場貸株金利
2017/2/3ヴァンエック ベクトル 中国AMC中小企業ETFCNXTNYSEArca対象2.00%
2017/2/3デジタル アリーDGLYNASDAQ対象2.00%
2017/2/3ウィズダムツリー米国大型株配当ファンドDLNNYSEArca対象2.00%
2017/2/3パトリオット ナショナルPNNYSE対象2.00%
2017/2/3Direxion デイリー ロシア株 ベア3倍 ETFRUSSNYSEArca対象2.00%
2017/2/3シアーズ ホールディングスSHLDNASDAQ対象2.00%
2017/2/3ソノマ ファーマシューティカルズSNOANASDAQ対象2.00%
2017/2/3バンガード 米国長期政府債券 ETFVGLTNASDAQ対象2.00%
2017/2/3バンガード 米国短期政府債券 ETFVGSHNASDAQ対象2.00%
2017/2/3バンガード ラッセル1000グロース株 ETFVONGNASDAQ対象2.00%
2017/2/3ウエイトウォッチャーズWTWNYSE対象2.00%

(SBI証券 米国株式 貸株対象銘柄・金利 2016/2/3現在)


個別銘柄は知らないものばかりですが、例えば、VGLT(バンガード 米国長期政府債券 ETF)は信託報酬が0.07%なので、貸株金利のほうが圧倒的に高いです。
下のグラフはVGLTの貸株金利の推移です。

(SBI証券 米国株式 貸株対象銘柄・金利 2016/2/3現在)


貸株金利は日によってかなり変動するようで、最高は2%ですが、低い日は0.05%になっています。
2%になったのは最近のことで、2016/8/27以降の平均は0.61%でした。
どういう基準で決まるのかはよく分かりませんが、この半年間のVGLTは信託報酬をじゅうぶん上回る貸株が得られていたようです。

私が保有しているVT(バンガード トータル ワールド ストックETF)、VDC(バンガード 米国生活必需品セクター ETF)、VHT(バンガード 米国ヘルスケア セクター ETF)も調べてみました。



(SBI証券 米国株式 貸株対象銘柄・金利 2016/2/3現在)



VGLTと反対に最近は低くなっていますが、3銘柄とも、半年間の貸株金利の平均は信託報酬を上回っていました。

ETFはずっとNISAで買っていたのですが、NISA口座では貸株サービスを利用できないので、これからは特定口座でETFを買って、貸株にしてみようか悩んでいます。

貸株サービスにはデメリットとして、
①信用リスク(借入者(SBI証券)、貸出先が倒産したときに返ってこない可能性)
②配当金が雑所得(総合課税)扱いになる可能性
があるようです。

②については、基本的に配当金として受け取れるようなのであまり気にするほどではないかと思いましたが、①は結構大きいような気がします。
貸出先が破綻した場合は、SBI証券から株券、もしくは時価及び遅延損害金が返却されるとのことですが、SBI証券が破綻した場合は返ってこない可能性があるようです。

通常、株券は証券会社の資産とは分けて分別保管されていて、証券会社が倒産した場合、投資者保護基金による保護の対象になりますが、貸株は保護を受けられないのと引き換えに金利収入が得られるということなんですね。
そう考えると、0.01%程度の貸株金利だと割に合わないような気がしてきました。

最初は素晴らしいサービスだと思いましたが、やはりフリーランチはないのですね…




よろしければ応援クリックお願いします
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

コメント