KHC(クラフト・ハインツ)、UL(ユニリーバ)の買収断念


KHCによるUL買収は破談に終わりました。
ULは外国源泉税が非課税の高配当株として気に入っていたので良かったですが、買収報道があってからこんなに早くに断念することもあるのですね。
独バイエルによるMON(モンサント)買収や、BTI(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)によるRAI(レイノルズ・アメリカン)では、買収価格が過小評価されているから拒否したという報道のあと、買収価格引き上げや、規制当局による承認が下りるかどうか等々でなかなか進まないという印象だったので、今回の買収提案も数か月はずっと協議が続くものだと思っていました。

当初は18%のプレミアムが過小評価されているということで買収提案を拒否していたのかなと思っていましたが、買収価格の問題ではなく、食品事業強化を図るKHCと、食品事業を縮小して日用品事業強化を図るULでは戦略の根本的な違いがあったため、KHCは早く手を引くことが最善だと判断したそうです。

ULの一部を売却して、HRB(H&Rブロック)、GSK(グラクソ・スミスクライン)、BUD(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)、NVS(ノバルティス)の購入を検討していましたが、買収断念のニュースを受けてULは急落すると思うのでそのまま保有することにしました。
昨日は今夜に売買するつもりでしたが、今日(2/20)はPresidents’ Dayで米国市場はお休みなのですね。
米国の祝日には馴染みがないので、取引時間のはずなのに何でだろうとよく混乱してしまいます。

GSK、BUD、NVSの追加購入は見送りますが、HRBは給料日に購入するつもりです。







次の米国の祝日は4/14(金)の聖金曜日だそうです。
日本に比べると祝日は少ないのですね。


SBI証券 米国株式 休場日カレンダーより抜粋


(2017/2/21追記)




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コメント

  1. 米国時間2月22日、KHCが30%近く急落しました。
    業績不振は知っていましたが、バフェットの経営指導でそれなりに大手食品メーカーとして
    安定感があるかと信仰(笑)していましたので、
    まずは、大手企業でも暴落するアメリカ株のダイナミックさに驚きました。

    また2点目として、のれんの減損会計に関わっているようで、
    減損会計には疎いので良く分かりません。
    これは個人的に、個別企業の会計を深く見るよりも、
    広くリスク分散しとけば良いという気もあったからですが
    実際に暴落が起きた場合に分散になってるのかは分かっていないので、
    バフェット先生が買っているなら悪いようにはならないだろう、といった
    単なる不勉強なので恐いなと思いました。

    大手食品会社は日本株では鉄板銘柄が多いので
    KHCの配当利回りがもっともっと大きければ、目先の配当欲しさにもっと沢山持っていたはずです。

    3点目として、書きにくい事ですが、
    粉飾決算を疑って(?)行政であるSECが調査に入ると言う事ですので、
    某東芝とか、某神戸製鋼とか、某レオパレス21への日本の行政の態度と
    異なっているか、アホールドしながら観察してゆきたいものです。


    最後に、
    代表的なバフェット銘柄ということで、バークシャーの株価もかなり急落するかと思いましたが、そうでもないのは意外でした。 バークシャーの株主は右往左往しないんですかね。

    いろいろな事を考えさせてくれるKHC暴落でした。

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  2. KHC、30%近くも落ちたんですね…
    KHCはフリーキャッシュフローに対する配当性向をみると減配リスクが高そうかなと避けていましたが、加工食品株は全般的にプライベートブランドの台頭やミレニアル世代の健康志向等で厳しいのかなと思います。
    食品株ではMKCがプライベートブランド耐性も高そうで長期的にも有望なんじゃないかと思っていますが、バリュエーションが非常に高いですし、高配当食品株に限るとあまり安心はできなさそうな気がします。

    個別銘柄の会計を深く見るよりも広く分散、というのは私も同じスタンスです。
    そこまで深く決算書を読み込む知識がないというのも大きいですが…

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  3. バフェット流の投資と経営術の限界かもしれないなと思います。
    ULを欲しがったのは、エンドユーザーへの販売面を強化するにはULが良いと思ったからでしょうし、
    もう一つ、バフェット流は、常に買収の永続的な発展でないと上手くいかないのかな、と思います。

    KHCで、人員削減や一部事業からの撤退などダウンサイジングをどれほどやっているかは
    良く分かりませんが、
    行うとした場合、トランプ大統領からの横やりも入りそうな気がします。

    そしてプライベート・ブランドの台頭によってKHC製品も値引きを迫られているとの分析もあるようなので、それが
    アメリカの庶民が、食という基本的な支出の財布の紐が固くなり始めている事を意味するなら、リセッション入りしているかな、とも思っています。









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    1. プライベートブランドの台頭や健康志向等は景気後退の前兆というよりは、長期的なトレンドなんじゃないかなと思っています。
      ミレニアル世代の消費嗜好は従来の世代とかなり違っていて、たとえばシリアルは後片付けが面倒なので食べない、外食を好む、新鮮な未加工・自然食品を好む、加工食品離れ、アルコール離れ(飲む場合もビールよりもワインやスピリッツを好む)、タバコ離れ等々、様々な変化が伝えられています。
      私もミレニアル世代ど真ん中なのでこうした嗜好変化には共感をもっていますが、投資においては「生活必需品株=ディフェンシブ」と思考停止しがちなので、今後の変化にちゃんと対応していかないといけないなと考えているところです。

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  4. ご説明ありがとうございます。

    私には、ご説明のミレニアル世代の消費嗜好というものが理解しづらいですが、
    とりあえず自分の企業イメージは当てにならないということですね。

    例えば私は、自分でスーパーに行くことも最近ないですが、
    味の素の加工製品には好感を持っています。
    株主優待銘柄としても人気があるようですが、しかし業績は悪い。

    またマクドナルド(MCD)は数年前に中国産の非衛生、不健康な食肉を使用したとして
    日本のマスコミは大変非難していましたが、
    ニューヨークのMCDの長期チャートは順調そのものです。

    日本と北米では国情が大きく違ってもいるはずですし、
    実際に店舗での人気度を確認しがたい面もあり、
    私個人としては、だんだんに個別企業への投資は止めた方が良いのかもしれませんね。

    バフェットも、コカ・コーラとハンバーガーだけで満足しているとの伝説なので
    それで経営指導がピントハズレだったかもしれません(笑)。


    ついでながら、
    ミレニアム世代の価値観が反映するのか分かりませんが、
    個人的には、スターバックスなどがプラスチック・ストロー廃止に動いた事や、
    PETボトルやガラス瓶の、分別回収とリサイクルには意味があるのか、といった事が気になっております。

    PETボトルのリサイクルは費用倒れですし、
    ガラスも、どこにでもある石に、それぞれ異なる添加物を入れているので、
    良いガラスにはリサイクルできません。
    重たいガラスは消費地で安全に捨てれば良いと思っています。

    牛乳びんや新聞紙の毎日の配達に、独居者の見守りなどの別の効用を見出して
    復活している地域もあるやに聞いてますが、それは別論ですね。
    オイシックスが創業当時、牛乳配達を利用したそうですが。 有難うございました。


    若い消費者の価値観の反映なのかなと

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    1. 消費嗜好変化の理解は難しいですよね。
      私もシェアリングエコノミーはよく分かりません。
      モノを持たない生活というのはとても共感できることですが、潔癖症なので必要なモノは極力シェアよりも所有したいです。

      KHCの件は3Gキャピタルの無理なコストカットが原因のように言われていますし、バフェットがどれだけ関与していたのかよく分かりませんが、生活必需品のモートは以前ほど強固なものではなくなっているのは確かなんだろうなと思っています。
      今回のKHCは無理なコストカットや不正会計など特殊要因がありますし、生活必需品株全体でみれば、過去ほどの高リターンは望めなくても安定配当目的では良いんじゃないかなとも思うのですが…

      分別回収とリサイクルは私も同感です。
      ゴミの分別を細かくしても結局は一緒に燃やしているとかいう話はよく耳にしますし。

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  5. KHC急落を受けて、さすがに世界的な食品会社であり、バフェット銘柄ということで、
    会計知識の豊富な方が迅速な解説を「日本語で」してくださっているので、
    私としては予めの対応は出来なかったと結論しました。

    長いチャートでどんどん下がっている時点で、企業の構造的に不調であることは知っていましたが、
    今回の1日30%の暴落は、のれんの減損処理に関わることであり、
    これは企業の実際の活動ではなく、会計処理が発動しただけのことなので、
    交通事故にあったようなものだと思います。

    私は従前から、のれんの会計処理が良く分からないなと思っていたのですが、
    日本の会計基準と国際的な会計基準でも違いがあるようで、
    結論として、外国株に広く投資する場合は理解できないし、
    分散によって、リスクとリターンをコントロールしようと考える場合、
    自分がいろいろ持っている銘柄によって、目的とする分散が図られているのか
    素朴に考える時期かと思います。

    日本では割合近年、気楽に外国株投資ができる環境が整えられてきたことで
    最大でも20年間外国株投資をしてきた日本の個人はいないかと思います。

    バフェットやシーゲルが偉人であることは疑いようがないですが、
    かれらは、世界資本主義で一番の勝ち組であるアメリカで超長期投資をして勝った人たちです。

    話が飛躍しますが、水野和夫先生が経済史上の資本主義が限界にきているとおっしゃり、
    薄くて安い本も出版されています。
    世界の債務問題や、世界でトップクラスの投資の達人にも例えば5年以内位の将来について
    大きく意見が割れているので、
    特定の教祖様に信心するのもどうかなあ、と思っております。

    投資の偉人たちがそれぞれどう発言しているかは、
    管理人様のブログに書くべきことでは無いので省きますが、
    私のような年寄からすると、何か一つ言わせていただくとすれば、
    お金とは何か、ということが2000年位を境に変わってきたと思います。

    制度上、金本位制は1971年ニクソン・ショックで終わったのですが、
    世紀末の各国の通貨危機までは、どこかしら究極の通貨はゴールドである、
    という雰囲気があったような気がします。
    第二次大戦を境に英国ポンドは基軸通貨ではなくなったのですが、
    それは英国の金準備が足りなくなったからです。

    現時点では、アメリカの金準備はドルに対して微々たるものですが、
    ドルは唯一の基軸通貨です。
    つまり基軸通貨または通貨とは何であるかという「雰囲気」が変わりました。
    管理人様がご指摘のように、世界の債務問題も素朴に考えれば同じことです。

    ブレグジットと米中交渉が早くても3月下旬位までは
    何の方向性も出せないと見て
    休む時期かもしれませんが、資産をどこに休ませておけば良いのかも分かりにくいのですよね(笑)。

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    1. 会計基準による違いは難しいですよね。
      外国株に限らず、日本株でも国際会計基準の導入が増えているようですし。
      のれんについては米国・国際会計基準のように非償却で価値が大きく下がったときに初めて減損するよりも、日本の定期償却のほうが素人考えでは健全なように感じるのですが…

      米国株が右肩上がりで長期で見れば実質7%弱のリターンが得られる、というのも過去200年程度の話なので今後も確実にそうとは言えませんし、資本主義が今後もうまくいくのかは何とも言えないですよね。
      色々な心配はありますが、将来が不確実で不安を感じるからこそ株式のリスクプレミアム、期待リターンが十分高くなることを考えると、目に見える心配がたくさんあることは良いことと言えるのかもしれません。

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