ジェレミー・シーゲルのリターン上位20銘柄


ジェレミー・シーゲル著「株式投資 第4版」によると、最初のS&P500構成銘柄中、長期(1957年~2006年)実質リターンが最も高かったのは以下の20銘柄でした。


2007年時点の社名リターンセクター
1アルトリア・グループ19.88%生活必需品
2アボット15.86%ヘルスケア
3クレイン15.47%資本財・サービス
4メルク15.43%ヘルスケア
5ブリストール・マイヤーズ15.43%ヘルスケア
6ペプシ・コーラ15.40%生活必需品
7トッツィー・ロール15.12%生活必需品
8コカ・コーラ15.05%生活必需品
9コルゲート・パルモリブ14.99%生活必需品
10フォーチュン・ブランズ14.92%一般消費財・ザービス
11HJハインツ14.48%生活必需品
12ファイザー14.48%ヘルスケア
13マグロウヒル14.31%一般消費財・ザービス
14シェリング14.22%ヘルスケア
15WmリグレーJr14.15%生活必需品
16シュルンベルジェ14.06%エネルギー
17プロクター・アンド・ギャンブル14.05%生活必需品
18ハーシー14.02%生活必需品
19クローガー14.01%生活必需品
20CVS13.85%生活必需品

この20銘柄の単純平均は14.96%という素晴らしい高リターンです。しかも実質リターンなので、仮にこの間のインフレ率が約2%だったとすると、名目リターンは17%っていうことですよね。そんなに超高リターンだと資産1,000万円でもリタイアできそうです。

50年間存続し、株主に高いリターンをもたらした20銘柄はどれを買っても未来は明るいように思えますが、最近の成績はどうだったのか気になったので、モーニングスターで調べることができる過去15年、10年、5年のトータルリターンを比較してみました。

シェリングは2009年にメルクにより買収、WmリグレーJrは2008年バークシャー・ハサウェイにより買収、フォーチュン・ブランズは2011年に家庭用品部門が分離独立、HJハインツは2015年にクラフトフーズと合併したので、モーニングスターにはデータがなく、残りの16銘柄を比較しています。マグロウヒルは2013年にS&P グローバルに社名変更しています。

また、グラフでは2007年時の社名ではなく、以下のティッカーシンボルを使っています。

ティッカー2007年時点の社名
MOアルトリア・グループ
ABTアボット
CRクレイン
MRKメルク
BMYブリストール・マイヤーズ
PEPペプシ・コーラ
TRトッツィー・ロール
KOコカ・コーラ
CLコルゲート・パルモリブ
PFEファイザー
SPGIマグロウヒル
SLBシュルンベルジェ
PGプロクター・アンド・ギャンブル
HSYハーシー
KRクローガー
CVSCVS
SPYS&P500

まずは過去15年の比較です。
首位はCVS(CVSヘルス)の11.59%、最下位はPFE(ファイザー)の1.20%でした。S&P500を上回ったのは8銘柄、下回ったのは8銘柄で、16銘柄の平均値は6.58%でした。S&P500は7.10%だったので、S&P500の勝ちです。

PFEやMRK(メルク)は2000年の過去最高値を未だに更新できていないんですね。過去15年のヘルスケアセクター全体のリターンは8.04%だったので、シーゲル銘柄のヘルスケア株は低調だったようです。
(過去記事:各セクターのトータルリターン比較(過去5~15年)


次は過去10年です。
首位はCL(コルゲート・パルモリブ)の9.93%、最下位はSLB(シュルンベルジェ)の2.43%でした。S&P500を上回ったのは10銘柄、下回ったのは6銘柄で、16銘柄の平均値は7.22%でした。S&P500は7.27%だったので、S&P500の勝ちです。

最後は過去5年です。
首位はSPGI(旧マグロウヒル)の23.12%、最下位はSLB(シュルンベルジェ)の4.25%でした。S&P500を上回ったのは8銘柄、下回ったのは8銘柄で、16銘柄の平均値は12.83%でした。S&P500は13.05%だったので、S&P500の勝ちです。

シーゲルの16銘柄のリターン単純平均は、過去15年、10年、5年のいずれもS&P500を下回っていました。16銘柄はどれも長期保有にふさわしい優良銘柄だと思いますが、少なくとも5~15年くらいの期間では素晴らしい結果は得られなかったようです。過去50年間という超長期での結果なので、今後50年間ではどんな結果になるのか気になります。



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