リーマンショック時のNYダウ構成銘柄の下落率


前回は、過去の暴落局面での下落率(直近高値~暴落の底値)について調べました。リーマンショック時の下落率は、S&P500が57%に対して、円換算S&P500では65%でした。
(過去記事:過去の暴落局面の下落率

今回は、リーマンショック時のNYダウ構成銘柄の下落率について調べてみました。

下表はNYダウ採用の30銘柄と、2008年以降に除外された10銘柄です。


ティッカー社名セクター
1AAPLアップルテクノロジー
2AXPアメリカン・エキスプレス金融
3BAボーイング資本財
4CATキャタピラー資本財
5CSCOシスコシステムズテクノロジー
6CVXシェブロンエネルギー
7DDデュポン素材
8DISウォルト・ディズニー・カンパニー一般消費財
9GEゼネラル・エレクトリック資本財
10GSゴールドマン・サックス金融
11HDホームデポ一般消費財
12IBMIBMテクノロジー
13INTCインテルテクノロジー
14JNJジョンソン&ジョンソンヘルスケア
15JPMJPモルガン・チェース金融
16KOコカ・コーラ生活必需品
17MCDマクドナルド一般消費財
18MMMスリーエム資本財
19MRKメルクヘルスケア
20MSFTマイクロソフトテクノロジー
21NKEナイキ一般消費財
22PFEファイザーヘルスケア
23PGP&G生活必需品
24TRVトラベラーズ金融
25UNHユナイテッド・ヘルスヘルスケア
26UTXユナイテッド・テクノロジーズ資本財
27Vビザ金融
28VZベライゾン・コミュニケーションズ電気通信
29WMTウォルマート・ストアーズ生活必需品
30XOMエクソンモービルエネルギー
除外TAT&T電気通信
除外AAアルコア素材
除外BACバンク・オブ・アメリカ金融
除外HPQヒューレット・パッカードテクノロジー
除外KRFTクラフトフーズ生活必需品
除外GMゼネラルモーターズ一般消費財
除外Cシティグループ金融
除外AIGアメリカン・インターナショナル・グループ金融
除外HONハネウェル資本財
除外MOアルトリア・グループ生活必需品

セクター毎の下落率を見ていきます。

生活必需品セクター
ティッカー社名下落率円換算下落率
WMTウォルマート・ストアーズ-33%-39%
PGP&G-41%-48%
KOコカ・コーラ-42%-49%
KRFTクラフトフーズ- -
MOアルトリア・グループ- -
※KRFT(クラフトフーズ)はハインツと合併、MO(アルトリア・グループ)はPM(フィリップ・モリス・インターナショナル)をスピンオフしたため、下落率は計算できませんでした。

ヘルスケアセクター
ティッカー社名下落率円換算下落率
JNJジョンソン&ジョンソン-36%-44%
PFEファイザー-58%-67%
MRKメルク-66%-70%
UNHユナイテッド・ヘルス-72%-77%

エネルギーセクター
ティッカー社名下落率円換算下落率
XOMエクソンモービル-35%-47%
CVXシェブロン-45%-52%

テクノロジーセクター
ティッカー社名下落率円換算下落率
IBMIBM-45%-53%
HPQヒューレット・パッカード-52%-59%
INTCインテル-57%-65%
MSFTマイクロソフト-59%-65%
CSCOシスコシステムズ-60%-66%
AAPLアップル-61%-69%

一般消費財セクター
ティッカー社名下落率円換算下落率
MCDマクドナルド-23%-34%
NKEナイキ-45%-50%
DISウォルト・ディズニー・カンパニー-57%-65%
HDホームデポ-57%-66%
GMゼネラルモーターズ破綻

資本財セクター
ティッカー社名下落率円換算下落率
UTXユナイテッド・テクノロジーズ-54%-61%
MMMスリーエム-56%-63%
HONハネウェル-63%-70%
BAボーイング-73%-78%
CATキャタピラー-75%-80%
GEゼネラル・エレクトリック-84%-87%

電気通信セクター
ティッカー社名下落率円換算下落率
VZベライゾン・コミュニケーションズ-46%-56%
TAT&T-49%-58%

素材セクター
ティッカー社名下落率円換算下落率
DDデュポン-70%-76%
AAアルコア-89%-91%

金融セクター
ティッカー社名下落率円換算下落率
TRVトラベラーズ-46%-55%
Vビザ-52%-55%
JPMJPモルガン・チェース-70%-76%
GSゴールドマン・サックス-79%-83%
AXPアメリカン・エキスプレス-84%-87%
BACバンク・オブ・アメリカ-94%-95%
Cシティグループ-98%-99%
AIGアメリカン・インターナショナル・グループ-99.5%-99.6%
※V(ビザ)は、バンガードのETFではテクノロジーセクターですが、モーニングスターで金融セクターに分類されていたので、金融セクターとしました。


やっぱり金融セクターの下落率は大きいですね。生活必需品セクターは安定感抜群です。ヘルスケアは暴落に強いイメージを持っていましたが、PFE(ファイザー)、MRK(メルク)、UNH(ユナイテッド・ヘルス)はS&P500よりも下落率が大きいです。


次は、下落率が大きかった下位5銘柄と、下落率が小さかった上位5銘柄です。

下位5銘柄
ティッカー社名下落率円換算下落率
AIGアメリカン・インターナショナル・グループ-99.5%-99.6%
Cシティグループ-98%-99%
BACバンク・オブ・アメリカ-94%-95%
AAアルコア-89%-91%
AXPアメリカン・エキスプレス-84%-87%
※破綻したGMは除外しました。

上位5銘柄
ティッカー社名下落率円換算下落率
MCDマクドナルド-23%-34%
WMTウォルマート・ストアーズ-33%-39%
JNJジョンソン&ジョンソン-36%-44%
XOMエクソンモービル-35%-47%
PGP&G-41%-48%

MCD(マクドナルド)、WMT(ウォルマート・ストアーズ)、JNJ(ジョンソン&ジョンソン)の安定感は素晴らしいですね。特にMCDはほとんどリーマンショックの影響がなかったようです。
また、バフェット銘柄のAXP(アメリカン・エキスプレス)は下位5銘柄にランクインしていますが、その後のパフォーマンスはS&P500を大きく上回っています。
通常はディフェンシブ銘柄を中心に投資しておいて、金融危機時にはAXPのような優良金融株に乗り換えれば超高パフォーマンスを得られそうですね。タイミング投資の才能がない私がやると失敗しそうですが…

ディフェンシブ銘柄からの乗り換えはしないとしても、金融危機時は優良金融株を積極的に買い増ししてウェイトを上げるのも良いかなと思いました。


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コメント

  1. フィリップグレアム2017/05/24 22:22

    こんにちは。ロナルドリードさん。
    私は、過去に金融危機対策を考えて、投資ノートに書いてました。忘れてました。
    地震と一緒。いつ起こるか分からないから避難訓練とかと一緒で常日頃からシュミレーションすることが大事と偉そうに書いてました。
    危機に備えて米国債を買っておく。危機時には、それを投資の原資とする
    購入候補銘柄 LQD VOO WFC USB JPM LBTYA BRKB
    米国債積み上げるの完全に忘れてました。笑
    利上げして債券価格下がったら少し積み増します!

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    1. フィリップグレアムさん、こんにちは。
      たしかに、平時に米国債を買っておいて、金融危機時に下落した株の購入原資にするのが一番安定してそうですね。
      過去のチャートみると、超長期米国債のTLTやEDVが買いたくなりました。
      金融危機時は急激な円高になるので、日本人投資家が対策をとる場合、普通に円預金のほうが良いのかなとも思っていましたが、リーマンショック時のTLT、EDVの上昇率はすごいですね。
      金利感応度が高くて投資タイミングが難しそうですが…

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