過去の暴落局面の下落率


長期投資家にとって、暴落はチャンスです。配当再投資で保有株を多く積み増すことができるため、回復局面でより大きなリターンを得ることができます。

しかし、私はまだ暴落を経験したことがありません。頭では分かっていても、実際に資産が半分以下になるような暴落に直面するとパニックで売りたくなってしまうかもしれません。そういうときに冷静な判断をできるよう、過去の暴落局面の下落率を調べてみました。

リーマンショック時には、S&P500は直近高値から最大で約57%下落しました。円換算したS&P500の下落率は更に大きい約65%でした。株価の暴落と同時に急激な円高になったので、円換算S&P500の下落率は、ドル建てよりも大きくなりました。
(過去記事:米国株と日本株の株価推移

他の暴落局面での円換算S&P500はどうだったのでしょうか。

まずはS&P500と、円換算S&P500の推移を見てみます。S&P500はYahoo Financeの終値、ドル円はStooqのデータを使っています。変動率を比較するため、グラフは対数目盛です。
円換算すると値動きが激しくなっているのが分かります。ドル円は長期的には円高方向に推移してきたので、1971年1月から2017年5月現在までの上昇率を比較すると、ドル建てと円換算では3倍以上の差があります。
円換算S&P500だけのグラフです。
過去の暴落時の下落率は下表のようになっています。

S&P500S&P500(円換算)
高値安値下落率高値安値下落率
2007年~2009年
(リーマンショック)
1,565.15676.53-56.8%189,55366,910-64.7%
2000年~2002年
(ITバブル崩壊)
1,527.46776.76-49.1%163,91593,765-42.8%
1987年
(ブラックマンデー)
337.00224.00-33.5%50,68329,748-41.3%
1976年~1978年108.0087.00-19.4%31,49416,721-46.9%
1971年~1974年
(第1次オイルショック)
120.0062.00-48.3%36,25018,625-48.6%

2000年~2002年を除いて、円換算S&P500の下落率のほうが大きくなっています。1976年~1978年では、S&P500は19%しか下落していませんが、円換算の下落率は47%です。

リーマンショック時の下落率は、S&P500が57%に対して、円換算では65%です。2007年の高値でS&P500 ETFに1,000万円投資した場合、2009年の底値では350万円まで目減りしていたことになります。

さらに世界恐慌では、ダウ平均が1929年~1932年で最大89%も下落したそうです。リーマンショック後はすぐに高値回復しましたが、世界恐慌では底値から高値回復まで25年もかかりました。

これほどの大暴落はもう起こらないんじゃないかと思ってしまいますが、資産が1/10近くまで目減りしても狼狽売りせず、冷静に買い増しできるよう、頭のなかで暴落シミュレーションをしておこうと思います。


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