今後も投資するかは分かりませんが、配当金生活を目指す上で、高配当株ETFについて知っておきたいと思ったので記事にしました。データ元はMorningstarとYahoo financeです。
今回、調べたのは以下の5銘柄です。SDY、DVYは経費率が高めですが、古くからあるETFなので含めました。またVIGは増配、DVYは好配当という名前ですが、一応高配当ETFということにしました。
経費率 | 配当利回り | ベータ値 (3年) | 純資産額
($10億) | |
HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF) | 0.08% | 3.25% | 0.73 | 6.40 |
VYM(バンガード 米国高配当株式ETF) | 0.08% | 2.94% | 0.90 | 25.17 |
VIG(バンガード 米国増配株式ETF) | 0.08% | 1.98% | 0.88 | 30.20 |
SDY(SPDR S&P 米国高配当株式 ETF) | 0.35% | 2.48% | 0.88 | 15.43 |
DVY(iシェアーズ 好配当株式 ETF) | 0.39% | 3.00% | 0.68 | 17.06 |
ベータ値が最も低いのはDVY、配当利回りが最も高いのはHDVです。これだけをみると、HDVが一番良さそうな気がします。
まず、過去3年、過去5年、過去10年のトータルリターンを比較してみます。(HDVは設定日が2011年3月29日なので、過去10年のデータがありません。)
一番有望そうに思えたHDVは過去3年、過去5年で最下位です。後でご紹介しますが、エネルギーセクターの比率が他に比べて高めなのが低迷の原因だと思います。次はETFのセクターと組入上位25銘柄です。
・HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)
セクターは生活必需品、エネルギー、ヘルスケアのシェアが大きいです。この3つは過去のリターンが高かったセクターです。
(過去記事:セクターと成長性の罠)
エネルギーセクター比率が高く、原油相場の影響を受けやすいですが、金融セクター比率が低いため、金融危機時には強そうです。
・VYM(バンガード 米国高配当株式ETF)
セクターは生活必需品、テクノロジー、金融のシェアが大きいです。
・VIG(バンガード 米国増配株式ETF)
セクターは資本財、生活必需品、ヘルスケアのシェアが大きいです。
・SDY(SPDR S&P 米国高配当株式 ETF)
・DVY(シェアーズ 好配当株式 ETF)
セクターは公益、一般消費財、金融のシェアが大きいです。特に公益は30%を超えています。
下落率 | 円換算下落率 | |
VIG(バンガード 米国増配株式ETF) | -48.2% | -57.6% |
SPY(SPDR S&P 500 ETF) | -56.5% | -64.4% |
SDY(SPDR S&P 米国高配当株式 ETF) | -58.6% | -66.5% |
VYM(バンガード 米国高配当株式ETF) | -58.8% | -67.0% |
DVY(iシェアーズ 好配当株式 ETF) | -65.2% | -71.8% |
「高配当=下落相場に強い」というイメージを持っていましたが、リーマンショック時にS&P500よりも下落率が小さかったのはVIGのみだったようです。
当時のセクター比率が分かりませんが、セクター比率が今と同じ傾向であれば、VIGの下落率が小さかったのは金融セクター比率が低かったからだと思います。DVY、VYM、SDYはきっと金融セクター比率が高かったのではないでしょうか。
HDVはリーマンショック時のデータがありませんが、金融セクター比率が最低なので、リーマンショック時に存在していれば、下落率はもっと小さかったのかもしれませんね。
高配当株ETFは銘柄入替の頻度も多そうなので、投資する場合はセクター比率や組入銘柄をチェックしたほうが良さそうです。
一応、下落率の計算に使った各ETFの株価推移を載せておきます。ちなみに下落率はこの期間の最低値と最高値を使って計算しています。
個人的には生活必需品、エネルギー、ヘルスケア比率が高く、金融セクター比率が低いHDVが一番好みです。低経費率、低ベータ、高配当利回りですし、安心して長期保有できそうです。
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