国際的な二重課税を調整するための「外国税額控除」を受けることで、この現地源泉税の一部は取り戻すことが可能ですが、所得が低い場合は取り戻せる額が小さくなってしまいます。特に私は低所得なのであまり期待できません。
(参考:国税庁「外国税額控除」)
外国税額控除で取り戻せる額が小さかったり、確定申告をするのが面倒という場合は、現地源泉税率が低い国の株式を選んだほうが、配当の手取り額は大きくなるので有利だと思います。
また、NISA口座は確定申告ができないので、外国税額控除では全く取り戻すことができません。NISA口座で購入する銘柄も現地源泉税率が低い株を選んだほうが税金的には良いです。
ということで、今回は私が今まで受け取った配当の現地源泉税率をご紹介します。
ベルギー株のBUD(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)はADR手数料も高い(配当金額の6%)ため、実際の手取り額はさらに小さくなってしまいます。前回、私が受け取った配当では、税金とADR手数料を引くと約50%でした。
(過去記事:BUD(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)からの配当金)
スイス株のNVS(ノバルティス)はADR手数料を徴収されなかったので、私が保有する銘柄のなかでは、実質的な配当の手取り額はBUDが一番小さくなってしまっています。
(過去記事:ADR手数料)
また、米国株でも、PM(フィリップ モリス インターナショナル)の現地源泉税率は0.2%、SLB(シュルンベルジェ)は0%でした。英国株やオーストラリア株のADRは現地源泉税はゼロでも、ADR手数料が高い銘柄もあるので、米国株のPMやSLBは実質的な配当の手取り額が一番大きくなります。NISAで購入するのに向いていそうですね。
(過去記事:PM(フィリップ モリス インターナショナル)からの配当金 )
最後に、私が保有している英国株、オーストラリア株の配当利回りです。NGG(ナショナル・グリッド)とBHP(BHPビリトン)は保有していませんが、参考に入れています。(表中の配当利回りは2017/6/2時点です。)
・英国株
ティッカー | 銘柄名 | セクター | 配当利回り | 税引き後 配当利回り |
RDS.B | ロイヤル・ダッチ・シェル(B株) | エネルギー | 6.71% | 5.35% |
BP | BP | エネルギー | 6.67% | 5.31% |
HSBC | HSBCホールディングス | 金融 | 5.82% | 4.64% |
VOD | ボーダフォン | 電気通信 | 5.08% | 4.05% |
GSK | グラクソスミスクライン | ヘルスケア | 4.49% | 3.58% |
NGG | ナショナル グリッド | 公益 | 4.32% | 3.44% |
AZN | アストラゼネカ | ヘルスケア | 3.99% | 3.18% |
BTI | ブリティッシュ・アメリカン・タバコ | 生活必需品 | 2.94% | 2.34% |
UL | ユニリーバ | 生活必需品 | 2.54% | 2.02% |
DEO | ディアジオ | 生活必需品 | 2.46% | 1.96% |
・オーストラリア株
ティッカー | 銘柄名 | セクター | 配当利回り | 税引き後 配当利回り |
WBK | ウエストパック銀行 | 金融 | 6.02% | 4.80% |
BHP | BHP ビリトン | 素材 | 3.04% | 2.42% |
たとえば、米国株のT(AT&T)やVZ(ベライゾン・コミュニケーションズ)の配当利回りは5%、税引き後では3.6%になります。同業種の英国株VOD(ボーダフォン)も同程度の配当利回りですが、税引き後では4.0%です。
ただし、VODはポンド建てでは22年連続増配ですが、ドル建てでは下のグラフのように減配になっている年もあります。
ADRだとポンドやユーロ、オーストラリアドルなどの影響を受けるので、配当の予測をしづらいというデメリットはあるかと思います。
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参考になります
返信削除ありがとうございました
コメントありがとうございます。
削除参考になって良かったです。
また新しい国のADRの配当を受け取ったら追記していく予定です。
いつも参考にさせて頂いています。SLB(シュルンベルジェ)の現地源泉税率が0%との記載がありますが、同社はフランスが本拠地のため課税が10%ではないでしょうか?
返信削除コメントありがとうございます。
削除SLBについては仰る通り10%なんじゃないかなと思っていたのですが、私が配当を受け取ったときは0%でした。
(下記記事に当時の配当支払通知書のスクリーンショットを載せています。)
https://ronaldread.blogspot.com/2017/03/pm.html?m=1
もう保有していないので今も同じかどうかは分からないのですが…
ご返答ありがとうございます。
削除なんと0%だったのですね...!外国株の現地源泉徴収税率のルールがイマイチ分かりませんね。
SBI証券に問い合わせしてみましたので、返答があったらご報告させて頂きます。
あと貴ブログに掲載されているADR手数料を当ブログに引用させて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?
引用元はもちろん掲載させて頂きます。
現地源泉税は分かりにくいですよね。
削除実際に受け取ってみて思っていたのと違うなあと思うことが多々あります。
当ブログの引用は自由にしていただいて大丈夫ですよ。
SLB(シュルンベルジェ)の現地源泉徴収税率について、マネックス証券から回答がありました。
削除やはり0%みたいですね。理由は教えてくれませんでした..。
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<回答内容>
いつもマネックス証券をご利用いただき、誠にありがとうございます。
ご質問いただきました件につきまして、回答申し上げます。
お問い合わせのSLB(シュルンベルジェ)の現地税率について
担当部署に確認をいたしましたところ、「0%」ということでございました。
以上用件のみメールの回答とさせていただき、大変恐縮ではございますが、
ご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお問合せください。
今後ともマネックス証券をよろしくお願い申し上げます。
マネックス証券 コンタクトセンター小林
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以上、ご報告でした(^ω^)
情報ありがとうございます。
削除やっぱり0%のまま変わってなかったんですね。
どういう理由で税率が違っているのか気になりますね…
勉強になりました。
返信削除感謝します。