米国株の場合、配当には合計28.2835%(現地源泉課税10%と国内源泉課税20.315%)課税されるので、手取りの配当は71.7165%になってしまいます。今回は長期間、高配当株で配当再投資を繰り返すと課税の影響がどれくらいになるのかシミュレーションしてみました。
シミュレーションでは高配当株(配当利回り3.5%)、S&P500(配当利回り2%)、無配株(配当利回り0%)の3つを比べてみます。とりあえず税引き前のトータルリターンは全部7%、配当利回りは一定と仮定します。
高配当株 | S&P500 | 無配株 | |
トータルリターン(税引き前) | 7.00% | 7.00% | 7.00% |
インカムゲイン | 3.50% | 2.00% | 0.00% |
キャピタルゲイン | 3.50% | 5.00% | 7.00% |
課税コスト | 0.99% | 0.57% | 0.00% |
この場合、高配当株では課税コストが年率0.99%(配当利回り3.5%×税金28.2835%)になります。S&P500が0.57%、無配株が0%です。
原資が1,000万円で30年間配当再投資すると、下のグラフのようにかなり大きな差が生まれます。無配株は30年で7.7倍、S&P500は6.5倍になるのに対し、高配当株では5.8倍です。
税金ってやっぱり大きいですね。ただ、実際にはNISA口座や外国税額控除を利用したり、現地源泉税が非課税のイギリス株やオーストラリア株に投資することで課税コストはもう少し小さくすることができると思います。
配当金の推移は以下のように、30年後も高配当株はS&P500を大きく上回っています。
このシミュレーションでは高配当株、S&P500、無配株がすべて同じトータルリターンという設定にしましたが、過去のデータでは、高配当株のリターンはS&P500よりも高くなっています。
ジェレミー・シーゲル著「株式投資 第4版」によると、1957年~2006年の高配当株(S&P500を配当利回り別に5グループに分けた時、配当利回りが最高のグループ)のリターンはS&P500を3.09%ポイント上回っています。
配当利回り | リターン |
最高 | 14.22% |
高 | 13.11% |
中間 | 10.55% |
低 | 9.79% |
最低 | 9.69% |
S&P500 | 11.13% |
3.09%ポイントのリターン差は、高配当株の課税コストよりも大きいはずです。
1957年~2006年の高配当株の配当利回りがどれくらいなのかは分かりませんが、仮に高配当株の配当利回りが10%だとしても、課税コストは10%×税金28.2835%=2.82%です。
これから私が死ぬまでの期間も高配当株が高リターンであるとは限りませんが、私の目標は配当金生活(年間配当100万円)なので、仮に課税後のリターンでS&P500に負けてしまうとしても構いません。
S&P500に勝つことよりも、 できるだけ早くに配当金生活目標を達成するため、高配当株投資を今後も続けたいと思います。
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