賃金上昇に対して強いのは、従業員1人当たりの時価総額・売上高の大きい「賃金感応度の低い」銘柄で、FWONA(リバティ・メディア)、FB(フェイスブック)、ディスプレイ材料メーカーのOLED(ユニバーサル・ディスプレイ)、AAPL(アップル)などが挙げられていました。
反対に、従業員1人当たりの時価総額・売上高の小さい「賃金集約度の高い」銘柄は賃金上昇に対して脆弱で、GPS(ギャップ)、自動車シート製造会社のLEA(リア)、百貨店のM(メーシーズ)などが挙げられていました。
今後、アメリカの労働者が不足していくと「賃金集約度の高い」銘柄は避けたほうが良いのかもしれません。
今回はダウ平均構成銘柄の従業員1人当たりの時価総額・売上高を調べてみました。データはモーニングスターのものを使いました。
1人当たり 時価総額 | 1人当たり 売上高 | ||
V | ビザ | 21.00 | 1.33 |
AAPL | アップル | 7.25 | 1.86 |
MSFT | マイクロソフト | 4.54 | 0.73 |
XOM | エクソン・モービル | 4.46 | 3.11 |
CVX | シェブロン | 3.70 | 2.07 |
JNJ | ジョンソン&ジョンソン | 2.81 | 0.57 |
MRK | メルク | 2.53 | 0.59 |
GS | ゴールドマン・サックス | 2.50 | 0.90 |
PG | プロクター・アンド・ギャンブル | 2.48 | 0.68 |
CSCO | シスコシステムズ | 2.14 | 0.65 |
PFE | ファイザー | 2.06 | 0.55 |
KO | コカ・コーラ | 1.93 | 0.42 |
DD | デュポン | 1.55 | 0.53 |
INTC | インテル | 1.54 | 0.56 |
AXP | アメリカン・エキスプレス | 1.34 | 0.57 |
MMM | スリーエム | 1.32 | 0.33 |
JPM | JPモルガン・チェース | 1.29 | 0.38 |
VZ | ベライゾン・コミュニケーションズ | 1.21 | 0.77 |
NKE | ナイキ | 1.16 | 0.46 |
TRV | トラベラーズ | 1.10 | 0.89 |
BA | ボーイング | 0.94 | 0.63 |
UNH | ユナイテッド・ヘルス | 0.83 | 0.80 |
DIS | ウォルト・ディズニー・カンパニー | 0.81 | 0.29 |
CAT | キャタピラー | 0.72 | 0.40 |
GE | ゼネラル・エレクトリック | 0.72 | 0.42 |
UTX | ユナイテッド・テクノロジーズ | 0.47 | 0.28 |
HD | ホームデポ | 0.43 | 0.23 |
MCD | マクドナルド | 0.34 | 0.07 |
IBM | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ | 0.32 | 0.19 |
WMT | ウォルマート・ストアーズ | 0.10 | 0.21 |
見やすいようにグラフにしてみます。
1人当たりの時価総額では、首位がV(ビザ)、最下位がWMT(ウォルマート)でした。圧倒的首位のVは粗利益率が約80%、営業利益率が約60%もある超高収益企業です。
ハイテク企業や石油メジャー、製薬企業は大きく、小売や製造業は小さいようです。IBMはハイテク企業なのに従業員数が多くてびっくりしました。
1人当たり売上高では、首位がXOM(エクソン・モービル)、最下位がMCD(マクドナルド)でした。参考までに、私の保有銘柄は以下のとおりです。
1人当たり 時価総額 | 1人当たり 売上高 | ||
MO | アルトリア・グループ | 14.75 | 2.33 |
GOOG | アルファベット(C株) | 8.44 | 1.19 |
MSFT | マイクロソフト | 4.54 | 0.73 |
XOM | エクソン・モービル | 4.46 | 3.11 |
CVX | シェブロン | 3.70 | 2.07 |
DEO | ディアジオ | 3.00 | 0.40 |
BTI | ブリティッシュ・アメリカン・タバコ | 2.83 | 0.30 |
POT | ポタシュ・コーポレーション・オブ・サスカチワン | 2.83 | 0.87 |
JNJ | ジョンソン&ジョンソン | 2.81 | 0.57 |
RDS.B | ロイヤル・ダッチ・シェル(B株) | 2.64 | 2.70 |
WBK | ウエストパック銀行 | 2.59 | 0.65 |
PG | プロクター・アンド・ギャンブル | 2.48 | 0.68 |
PM | フィリップ・モリス・インターナショナル | 2.28 | 0.34 |
PFE | ファイザー | 2.06 | 0.55 |
KO | コカ・コーラ | 1.93 | 0.42 |
CL | コルゲート・パルモリーブ | 1.71 | 0.41 |
IFF | インターナショナル・フレーバー&フレグランス | 1.55 | 0.45 |
BP | BP | 1.52 | 2.50 |
AMZN | アマゾン・ドット・コム | 1.34 | 0.40 |
AZN | アストラゼネカ | 1.25 | 0.39 |
MKC | マコーミック | 1.19 | 0.42 |
MDT | メドトロニック | 1.19 | 0.33 |
UL | ユニリーバ | 0.99 | 0.31 |
GSK | グラクソ・スミスクライン | 0.97 | 0.28 |
LMT | ロッキード・マーティン | 0.91 | 0.49 |
HRL | ホーメル・フーズ | 0.85 | 0.50 |
HSBC | HSBCホールディングス | 0.84 | 0.26 |
GIS | ゼネラル・ミルズ | 0.81 | 0.41 |
MOS | モザイク | 0.80 | 0.82 |
ADM | アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド | 0.74 | 1.96 |
GE | ゼネラル・エレクトリック | 0.72 | 0.42 |
VOD | ボーダフォン | 0.70 | 0.44 |
CALM | カルメイン・フーズ | 0.48 | 0.30 |
IBM | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ | 0.32 | 0.19 |
SRCL | ステリサイクル | 0.24 | 0.14 |
1人当たりの時価総額では、首位がMO(アルトリア・グループ)、最下位がSRCL(ステリサイクル)でした。このなかではMOが圧倒的ですが、V(ビザ)に比べるとやや劣ります。
生活必需品セクターのなかでは、タバコやアルコールなどは大きいですが、食品株は小さいですね。
1人当たりの売上高では首位がXOM(エクソン・モービル)、最下位がSRCL(ステリサイクル)でした。タバコやアルコール株は時価総額では上位でしたが、利益率が高いため、売上高では下位にいますね。
賃金集約度という意味では従業員1人当たりの売上高よりも、やはり時価総額をみたほうが参考になりそうです。
今後、労働人口が不足して賃金が上昇するかは分かりませんが、銘柄を選ぶうえでは一応気にしておこうかなと思います。
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