(本読むのが遅いのでとりあえずレイ・ダリオのところだけですが…)
この本ではレイ・ダリオの個人投資家向けポートフォリオの例として、以下のようなポートフォリオが紹介されています。
株式の変動リスク(債券の3倍)を軽減するために債券の比率がかなり高くなっています。そしてインフレ加速時には下落しやすい株式・債券のリスク軽減のために金と商品取引がそれぞれ7.5%ずつ配分されています。リバランスは最低でも年1回はしないといけないようです。
このオール・シーズンズ戦略は、1984年から30年間の実質リターンが9.72%で、最も損失を出した2008年のリターンはたったのマイナス3.93%だったそうです。
(同年のS&P500はマイナス37%)
また、世界恐慌下の1929~1932年でS&P500は64%の損失を出しましたが、同期間のオール・シーズンズ戦略は20.55%の損失で済んだようです。
債券比率が高いので今のような超低金利下ではむしろ株式100%のほうが良いように素人の私は考えてしまいます。ですが、インフレ軽減のための金と商品取引が効いているのか、急激な金利引き上げが起こった1970年代の平均リターンは9.68%で、損失を出したのはわずか1年だけだったそうです。
ETFでオール・シーズンズ戦略ポートフォリオを作って検証してみたいなと思い、良いサイトがないか調べてみると、Portfolio VisualizerのBacktest Portfolioというのが便利みたいです。
(参考記事:10銘柄以上の個別の米国株や海外ETFのポートフォリオを検証できるサイトを見つけたので紹介するよ(関東在住福岡人のまったり投資日記))
このサイトを使って、IVV(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF)30%、IEF(iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF)15%、TLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)40%、IAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)7.5%、GSG(iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト)7.5%のポートフォリオの過去パフォーマンスを検証してみます。
GSGの設定日が2006年7月10日なので、期間は2006年8月~2017年12月、リバランスは年1回です。
S&P500が年率リターン7.23%、ボラティリティが7.41%、最大ドローダウンが-12.47%に対して、オール・シーズンズ戦略は年率リターン8.89%、ボラティリティ32.30%、最大ドローダウン-37.02%です。
ちなみにリバランス頻度は年1回だとシャープレシオは0.87ですが、年2回だと0.88、年4回だと0.85、毎月だと0.82、リバランスなしだと0.77になりました。Rebalance bands (5%/25%)というのだとシャープレシオは0.89になりましたが、よく分からないですし、年2回が簡単で良さそうです。
レバレッジETFを使ったオール・シーズンズ戦略
IVVの代わりにSPXL(Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF)、TLTの代わりにTMF(Direxion デイリー20年超米国債ブル3倍 ETF)を使った場合を検証してみます。レバレッジETFを使ったポートフォリオは、SPXL(Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF)18.75%、IEF(iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF)28.11%、TMF(Direxion デイリー20年超米国債ブル3倍 ETF)25%、IAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)14.07%、GSG(iシェアーズ S&P GSCI コモディティ・インデックス・トラスト)14.07%にしました。
全体では1.875倍のレバレッジがかかっていることになります。
TMFの設定日が2009年4月16日なので、期間は2009年5月~2017年12月、リバランスは今度は年2回にしました。
シャープレシオは、通常のオール・シーズンズ戦略(1.45)>S&P500(1.30)=レバレッジETFを使ったオール・シーズンズ戦略(1.30)でした。
レバレッジETFを使った場合、通常のオール・シーズンズ戦略の1.73倍のリターンになりました。この期間はレバレッジETFを使った場合でもS&P500に負けていますが、先ほどのリーマンショックを含む期間では勝てていたかもしれませんね。
金やコモディティは超長期的にはリターンを生まないはずなのでポートフォリオには組み入れたくないなと思っていましたが、オール・シーズンズ戦略を知ると見方が変わりました。
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