(過去記事:SBI証券で購入できる低PERのETF)
GULFは配当支払を行う中東地域の企業に投資するETFです。スマートベータETFですが、国内ネット証券で取り扱いのあるETFのなかで中東に投資するETFはこれだけです。
まず、私が既に保有している新興国株ETFのVWOやDGSと比較してみると、GULFは非常に資産規模が小さく、経費率も0.88%と高いです。
(過去記事:DGS(ウィズダムツリー 新興国小型株配当ファンド))
(過去記事:低コスト新興国株ETF(VWOとIEMG))
国別構成比率
イスラエルやパキスタン等も含まれていたら嬉しいのですが、GULFに含まれているのは上の9カ国だけです。
サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、クウェートの4国で8割超を占めています。
VWOには中東株は合計1.5%(アラブ首長国連邦0.8%、カタール0.5%、エジプト0.2%)しか含まれていないので、重複がなくて良いかなと思います。
構成国のインフレ率
10年国債利回りを調べたかったのですが、エジプトとカタール以外は分からなかったので5年間のインフレ率を見てみます。データは「世界経済のネタ帳」のもので、2017年と2018年はIMFによる推計値(2018年4月時点)だそうです。GULFのPERは11.69と低いので、高金利・高インフレの国ばかりなのかなと思っていましたが、エジプト以外は案外低めで安定しています。
構成国の実質GDP成長率
エジプト、モロッコ、バーレーン以外は成長率があまり高くありません。
セクター比率
「中東=エネルギー株」みたいなイメージがありますが、GULFでは金融セクターが5割超を占めていて、エネルギーセクターの比率はとても少ないです。ほとんどが国有企業で上場していないんでしょうか。また、組入上位10銘柄で約39%を占めていますが、時価総額2兆ドルとも言われるサウジアラムコが上場したらどうなるんでしょうね。
VWOとのパフォーマンス比較
GULDの最初の取引日(2008年7月22日)以来のパフォーマンスを比較してみます。トータルリターンはVWOが年率3.1%に対して、GULFは年率0.8%と不調です。
ボラティリティと最大ドローダウンはGULFのほうが小さいですが、暴落後の回復はかなり遅いですね。
GULFは経費率が0.88%で規模も小さく、中東は地政学リスクが高いですが、VWOとの重複もほとんどありませんし、バリュエーション的にも魅力的だと思うので少しだけ買ってみてもいいかなと思います。
VWOとの重複が少なく低PERのETFとしては、フロンティア株ETFのFM(iシェアーズ MSCIフロンティア100 ETF)にも興味があります。FMは現在PER14.32で、経費率は0.79%です。
(過去記事:アフリカ株ETFとフロンティア株ETF)
もう少し低コストになれば嬉しいのですが、こういうETFは資産規模が小さいので経費率の引き下げはあまり期待できなさそうですね。
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