米国株のリスクプレミアム推移


今回は米国株(S&P500)のリスクプレミアム推移を計算してみました。
(過去記事:世界各国株式のリスクプレミアムを計算してみる

S&P500のリスクプレミアム推移

リスクプレミアムは株式益利回り+名目GDP成長率-長期金利(10年国債利回り)で計算します。益利回り、名目GDP成長率、10年国債利回りはすべて「multpl.com」のデータを使いました。益利回りと10年国債利回りは月次ですが、名目GDP成長率は1946年以前が1年毎、1947年以降が四半期毎です。
1920年代、1930年代は極端すぎて見にくいので1950年以降にすると以下のようになります。
1950年1月〜2018年5月のS&P500のリスクプレミアムの中央値は7.0%でした。PERだけで判断すると現在の水準はかなり割高ですが、10年国債利回りと名目GDP成長率を加味したリスクプレミアムでみるとそれほど高くない気がしますね。

S&P500のリスクプレミアムと10年ローリングリターン

次に、S&P500のリスクプレミアムと10年ローリングリターン(株価リターン)の関係を見てみます。期間は1950年1月〜2018年5月です。
(S&P500トータルリターン指数は1988年以降のものしか見つからなかったので、株価リターンを使いました。)
横軸にリスクプレミアム、縦軸に10年ローリングリターンをプロットすると以下のようになります。
回帰曲線を引いてみると、決定係数は0.032でした。統計のことはさっぱり分かりませんが、調べてみると大まかな目安として「0.8以上が非常に良い、0.5以上が良い、0.25以上がやや良い、0.25未満が良くない」と書かれていました。
(参考:環境プラニング演習II - 千葉大学

リスクプレミアムで将来のリターンを予想するのは難しそうです。

S&P500の株式益利回りと10年ローリングリターン

ついでなのでS&P500の益利回りで散布図と作ってみました。期間は先ほどと同じく1950年1月以降です。
決定係数は0.366になりました。

S&P500のCAPEレシオ(逆数)と10年ローリングリターン

最後にCAPEレシオの逆数で散布図を作ってみました。期間は先ほどと同じく1950年1月以降です。
決定係数は0.416になりました。

決定係数を比べると、CAPEレシオ(0.416)>益利回り(0.366)>>リスクプレミアム(0.032)なので、10年国債利回りとか名目GDP成長率とかあれこれ考えずにCAPEレシオだけ見て割安・割高を判断したほうが良いのかもしれませんね。


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