ARCC(エイリス・キャピタル)は次の弱気相場で買いたい


今回の記事は、次の弱気相場で買いたい銘柄のひとつ、ARCC(エイリス・キャピタル)についてです。

ARCCはBDC(ビジネス・デベロップメント・カンパニー)最大手で、現在の配当利回りは9.03%と非常に高いです。
(※BDCは未上場の中小企業や新興企業に投融資し、利益の90%以上を配当することで法人税の優遇措置を受けており、高い配当利回りが特徴です。REITと似ていますね。)

ARCCはSBI証券では取扱いがありませんが、楽天証券とマネックス証券では購入可能です。

ARCC(エイリス・キャピタル)のポートフォリオ

ARCCのポートフォリオは以下の通りです。アセットクラスはよく理解できていませんが、返済順位の高い担保付きシニアローン(First Lien Senior Secured LoansとSecond Lien Senior Secured Loans)が全体の72%を占めています。産業別ではヘルスケア・サービス(24%)、ビジネス・サービス(18%)が高く、原油安でダメージが大きそうな石油・ガスは2%程度と低いです。
 出典:ARCC’s Plan for the Small Business Credit Availability Act

配当利回りと株価の推移

次は配当利回りと株価の推移です。中小企業や新興企業など高リスクな投資対象が多いためか、金融危機時には株価が大幅に下落し、2009年3月には配当利回り約50%にまで急騰しています。株価成長はほとんど期待できなさそうです。
(左軸が配当利回り、右軸が株価です。)
平常時の配当利回りはだいたい8~12%程度の間に落ち着いています。

年間配当推移

年間配当はやや減少傾向で、2008年→2010年では16.7%減配しています。配当月は3月、6月、9月、12月の年4回です。
ARCCのローン・ポートフォリオは変動金利が90%、固定金利が9%である一方、借入金は変動金利が11%、固定金利が89%なので、LIBOR上昇の恩恵を受けるそうです。
(LIBORが100bp(=1%)上がったら年間配当が$0.17増えると書かれています。)
出典:ARCC May 2018 Equity Investor Presentation

過去パフォーマンス比較

最後にPortfolio VisualizerのBacktest Portfolioを使ってARCCのパフォーマンスをS&P500と、あとは米国REITのVNQ(バンガードREIT ETF)と比較してみます。

2004年11月~2018年6月の期間では、S&P500が年率リターン8.75%、ボラティリティ13.58%、VNQが年率リターン8.05%、ボラティリティ22.97%に対して、ARCCは年率リターン12.16%、ボラティリティ31.64%です。ARCCの最大ドローダウンは-76.59%と凄まじいですが、暴落後の回復は早かったようです。ハイリスク・ハイリターンですね。


リターンのほとんどが配当で株価が横ばいという点ではPFF(iシェアーズ 米国優先株式 ETF)やHYG(iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF)も似たような感じがしますが、リターンはARCCのほうが上です。
金融危機時のドローダウンは凄まじい一方でその後の回復も早いため、強気相場の終盤から買ってもそれほど問題なさそうな気もします。

ただ、下がるときは市場平均よりも大きく下がってしまうので、どうせなら次の弱気相場で配当利回りが高くなるのを待ってから買ってみたいと思います。


よろしければ応援クリックお願いします
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

コメント