CAPEレシオとPBRはその後10-15年のリターンと逆相関の関係なので、低CAPE、低PBRのロシア株は割安に思えます。(下表にはロシア株のデータはありませんが…)
私はロシア株にはERUS(iシェアーズ MSCI ロシア ETF)を使って投資していますが、国内ネット証券で買えるロシア株ETFにはERUSのほかに、RSX(ヴァンエック ベクトル ロシアETF)、RSXJ(ヴァンエック ベクトル ロシア小型株ETF)、RUSL(Direxion デイリー ロシア株 ブル3倍 ETF)があります。
ERUS、RSX、RSXJについては以前記事にしましたが、今回はRSXに3倍のレバレッジが掛かったRUSLについて検討してみました。
(過去記事:ロシア株ETF(ERUS、RSX、RSXJ))
(過去記事:ERUS(iシェアーズ MSCI ロシアETF)構成上位銘柄①)
(過去記事:ERUS(iシェアーズ MSCI ロシアETF)構成上位銘柄②)
RUSL(Direxion デイリー ロシア株 ブル3倍 ETF)
ERUSが連動する指数は「MSCI Russia 25/50 Index」、RSXJは「MSCI Russia Small Cap」、RSXとRUSLはどちらも「MVIS Russia Index」です。RUSLはRSXの日次リターンを3倍した値動きをすると考えたら良さそうです。RUSLの経費率は1.28%と高いですが、RSXやERUSが高コストETFなので、3倍の日次リターンが得られるならむしろコストパフォーマンスが良さそうなようにも思えます。
(表のデータはETF.comです。)
ちなみにRUSLのAUMはETF.comには載っていませんでしたが、過去45日の平均売買代金はRSXが$149.16M、ERUSが$10.91M、RUSLが$7.66Mでした。
RUSLの過去パフォーマンス
Portfolio Visualizerのバックテストを使ってRUSLの過去パフォーマンスをチェックしてみます。RUSLは2011年5月25日に設定されたETFなので、期間は2011年6月~2018年6月です。年率トータルリターンはRSXが-5.40%、ERUSが-4.21%に対して、RUSLは-40.60%、最大ドローダウンはRSXが-58.56%、ERUSが-56.96%に対して、RUSLは-98.94%になっています。
一方、RUSLのボラティリティはRSXの2.94倍でだいたい3倍になっています。
RUSLの株価シミュレーション
もっと長い期間も知りたいので、簡単にシミュレーションしてみました。まず、単純にRSXの日次リターンを3倍すると以下のようになりました。(期間は2011年5月25日~2018年6月29日で、2011年5月25日を100としています。下落が大きいので対数グラフにしています。)
約7年間で26.7%の差が開きました。
この差が無くなるように調整してみると、RSXの日次リターンを3倍してから0.013%を引くのが良さそうです。
RSXの日次リターン×3-0.013%とRUSLの乖離率は以下のようになっています。
RSXの株価データはYahooFinanceで2007年4月30日から取得できるので、2007年4月30日~2018年6月29日の「RSXの日次リターン×3-0.013%」を作ってみました。
リーマンショック時の最大ドローダウンはRSXが-81.89%に対して、「RSXの日次リターン×3-0.013%」は-99.97%です。一方で、底値から2011年4月にかけて、RSXが4.2倍になったのに対して、「RSXの日次リターン×3-0.013%」は20.7倍になっています。
ロシア株自体が高ボラティリティで落ちるときは激しく暴落するものなので、今からRUSLを買うのはやっぱり怖いので止めておくことにします。でもロシア株のCAPEレシオが史上最低値(5.0)以下まで叩き売られたときにはNISA口座でちょっとずつ買ってみてもいいかなと思いました。
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