世界各国のCAPEレシオと中央値からの乖離率(2018年6月末)


先月、Research Affiliatesのデータを使って、世界各国のCAPEレシオと中央値からの乖離率を調べました。
(過去記事:世界各国のCAPEレシオと中央値からの乖離率

今後は四半期に一回くらいのペースで定点観測していきたいと思っています。

※今回使ったデータはすべてResearch Affiliatesのものです。


CAPEレシオ中央値からの乖離率(2018年6月末)

「CAPEレシオの現在値÷CAPEレシオの中央値-1」で乖離率を計算すると、以下のようになります。

CAPE
(18年6月末現在)
CAPE
(中央値)
乖離率
欧州、豪州、極東17.325.1-31.1%
トルコ8.512.1-29.8%
日本26.536.8-28.0%
マレーシア15.921.0-24.3%
インドネシア17.421.8-20.2%
イタリア15.218.7-18.7%
スペイン12.414.5-14.5%
ブラジル11.713.6-14.0%
新興国14.115.9-11.3%
ポーランド10.812.0-10.0%
メキシコ20.822.7-8.4%
ヨーロッパ16.017.3-7.5%
韓国14.114.9-5.4%
スウェーデン19.720.4-3.4%
アジア(除く日本)17.117.7-3.4%
ロシア6.16.3-3.2%
南アフリカ18.619.0-2.1%
中国16.516.7-1.2%
香港18.318.4-0.5%
タイ18.818.23.3%
インド21.721.03.3%
英国14.814.33.5%
ドイツ18.517.83.9%
フランス20.119.15.2%
オーストラリア17.616.56.7%
台湾20.719.37.3%
カナダ20.619.27.3%
先進国23.121.29.0%
スイス23.320.314.8%
全世界21.818.418.5%
米国小型株65.041.257.8%
米国大型株31.616.295.1%

中央値よりも10%以上割安になっているのはEAFE(欧州、豪州、極東)、トルコ、日本、マレーシア、インドネシア、イタリア、スペイン、ブラジル、新興国、ポーランドです。

10%以上割高になっているのは米国大型株、米国小型株、全世界、スイスです。

CAPEレシオのフェアバリューからの乖離率(2018年6月末)

Research AffiliatesにはCAPEレシオのフェアバリュー(RA Fair Value)も載っているので、先ほどと同様にフェアバリューからの乖離率を計算すると以下のようになります。

CAPE
(18年6月末現在)
CAPE
(RA Fair Value)
乖離率
ロシア6.18.8-30.7%
トルコ8.511.6-26.7%
ポーランド10.812.9-16.3%
ブラジル11.713.5-13.3%
スペイン12.414.0-11.4%
韓国14.115.1-6.6%
マレーシア15.916.7-4.8%
新興国14.114.7-4.1%
イタリア15.215.7-3.2%
インドネシア17.417.7-1.7%
英国14.814.9-0.7%
中国16.516.6-0.6%
タイ18.818.61.1%
アジア(除く日本)17.116.81.8%
南アフリカ18.617.84.5%
ヨーロッパ16.015.34.6%
オーストラリア17.616.75.4%
ドイツ18.517.46.3%
香港18.317.26.4%
欧州、豪州、極東17.316.17.5%
スウェーデン19.718.37.7%
メキシコ20.819.37.8%
フランス20.118.39.8%
台湾20.718.810.1%
インド21.719.710.2%
カナダ20.618.610.8%
日本26.522.816.2%
スイス23.319.917.1%
全世界21.818.319.1%
先進国23.119.021.6%
米国大型株31.623.534.5%
米国小型株65.042.254.0%

CAPEレシオのフェアバリューよりも10%以上割安になっているのはロシア、トルコ、ポーランド、ブラジル、スペインです。ブラジルは年初来で20%超下落していて、少し気になってきました。

10%以上割高になっているのは米国小型株、米国大型株、先進国、全世界、スイス、日本、カナダ、インド、台湾、台湾です。

EAFEと日本は中央値が他の地域よりもかなり高いので中央値と比べると割安に見えますが、Research Affiliatesのフェアバリューと比べると割高になります。


今のところはCAPEレシオの絶対値が低く、かつCAPEレシオの過去の中央値やフェアバリューとの乖離率を見て判断するのが良いんじゃないかなと思っています。

その点から現在はロシア、トルコ、ポーランドが魅力的だと感じていて、単一国ETF(ERUS、TUR、EPOL)を保有しています。ロシアはポートフォリオの15%、トルコとポーランドは3%程度まで買い増しするつもりです。


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