前記事でご紹介したSYLD(カンブリア・シェアホルダー・イールドETF)の新興国版ですね。EYLDもSBI証券等では取扱いがありません。
(過去記事:SYLD(カンブリア・シェアホルダー・イールドETF))
米国株はもともと総還元性向※が高い企業が多いため、高シェアホルダーイールドと低PER(高益利回り)との差が少なそうです。
※総還元性向とは、配当と自社株買いの合計額を純利益で割ったもので、企業が利益をどれだけ株主に還元しているかを示す指標です。
一方で米国以外、特に新興国では総還元性向が低いために低PERが株主リターンに繋がらない企業が少なくないイメージがあるので、新興国株のほうがよりシェアホルダーイールドに着目する意義が大きそうな気がします。
(総還元性向のデータは米国と日本のものしか見たことがなく、実際に新興国の総還元性向が低いのかどうかは知らないのですが…)
EYLD(カンブリア・エマージング・シェアホルダー・イールドETF)
バリュエーション等比較
他の新興国株ETF(VWO、ウィズダムツリーETFのDEM、DGS、DGRE)との比較です。EYLDは規模が小さいのが気になりますが、経費率は0.69%で新興国株のスマートベータETFとしては許容範囲だと思いますし、PERは7.06、PBRは1.10とかなり低いです。
国別構成比率
2018年9月末時点のファクトシートによると構成国は以下の通りです。台湾、中国、韓国、ロシアで約65%を占めており、労働人口増加国のウェイトは小さいです。高成長を期待して新興国株に投資したい場合にはあまり向いていなさそうですが、シェアホルダーイールドでスクリーニングしているので成熟した国が中心になるのは仕方ないですね。
セクター比率
素材、エネルギー、テクノロジー、資本財セクターのウェイトが高いです。VWOよりもセクターが分散されていますね。組入上位20銘柄
チャイナ・テレコム、ロシアのセヴェルスターリ(鉄鋼)、タトネフチ(石油)以外はほとんど知らない銘柄ばかりで、VWOの組入上位銘柄との重複は少なそうです。
モーニングスターによると売買回転率(Annual Turnover)は26%です。
パフォーマンス比較
EYLDは2016年7月14日に設定された新しいETFなので期間がとても短いですが、VWO、DEM、DGSとのパフォーマンスの比較(2016年8月~2018年9月)です。期間が短すぎてチャイナショックの時期すら含まれていないのであまり参考にはなりませんが、この期間ではEYLDが最も高パフォーマンスです。
EYLDは新興国株ETFのなかでもバリュエーションが低いですし、低PERでも株主還元に消極的な企業を除外できているはずなので、なかなか有望なETFなんじゃないかなと思います。
新興国株ETFとしては、高配当+小型株効果が期待できるDGS(ウィズダムツリー 新興国小型株配当ファンド)を気に入って投資していますが、EYLDも結構好きですね。EYLDはDGSの1/80くらいの規模しかないので償還リスクが心配ではありますが…
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