シェアホルダーイールド(株主還元利回り、株主総利回り)とは配当利回りと自社株買い利回りを足した指標です。
高配当株ETFはたくさんありますが、シェアホルダーイールドに着目したETFは珍しいと思います。ただ、SYLDはSBI証券等では取扱いがなく、国内ではたぶんサクソバンク証券でしか買えません。
SYLD(カンブリア・シェアホルダー・イールドETF)
メソトロジー
- 流動性のある時価総額が2億ドル超の幅広い銘柄(クローズドエンド型ファンド、非公開企業、債券を除く)のうち、シェアホルダーイールド(配当利回り+自社株買い利回り)が上位20%の銘柄を選び出す。
- 株価キャッシュフロー倍率、PBR、EV/EBITDA倍率などのバリュエーション指標を使って、本源的価値を下回る株式をスクリーニング。
- バリュートラップを回避するための手段として、モメンタムとトレンド指標に基づいて最終的なソートを行う。
- 特定のセクターに集中しないように調整し、トップ100の株式に均等加重する。
バリュエーション等比較
高配当株ETFのVYMとHDV、DVP(ディープ・バリューETF)と比較してみました。(過去記事:DVP(ディープ・バリューETF))
PERは15.30、PBRは2.12で米国株ETFとしては低いです。ただ、米国株しか組み入れられていない割に経費率0.59%はちょっと高い気がしますね。DVPはもっと高いですが。
セクター比率
一般消費財と金融セクターのウェイトが高いです。組入上位20銘柄
モーニングスターによると売買回転率(Annual Turnover)は16%と比較的低めです。
パフォーマンス比較
SYLDは2013年5月14日に設定された新しいETFなので期間が短いですが、VOO、VYMとのパフォーマンスの比較(2013年6月~2018年9月)です。リターンはVOO>SYLD>VYM、ボラティリティはVYM<VOO<SYLDです。
一般的に高配当株ETFは通常よりも低ボラティリティになると思いますが、SYLDは高ボラティリティでドローダウンも大きいです。
MSCI USA Total Shareholder Yield Index
SYLDとはまた違いますが、MSCI USA Total Shareholder Yield IndexはMSCI USAをアウトパフォーム(1999年5月~2018年9月)しています。ボラティリティもそれほど大きくなく、リーマンショック時のドローダウンも小さいです。
出典:MSCI USA TOTAL SHAREHOLDER YIELD INDEX
(USD)
長期的に見ればSYLDも高パフォーマンスが見込めるんじゃないかなと思います。
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以前、BDCの記事(ARCCやMAIN)を拝見させていただきました。
返信削除TCPCというBDCも面白いのではないかと思っています。
ブラックロック傘下なので一定の安心感はありますし、利回りが現時点で10.32%!!
ただ、2012年上場で増配はほとんどないです。
管理人様のご意見をきかせてください。
こんにちは。
削除以前BDCについて調べたときは時価総額上位しか見てなかったのでTCPCは初めて知りました。
たしかに他のBDCよりも高い配当利回りは魅力的ですね。
ポートフォリオの92%が担保付きシニアローンというのもディフェンシブで良さそうではありますが、個人的にはより大規模なARCCやMAINを選ぶかなと思います。
横レスで申し訳ありません。
返信削除個人的には、BDCだと、TSLXに興味があります。
TSLXはMAINと同様、特別配当が出ていますし、上場時よりも値上がりしている(MAINも)。
格付けはBBB-でMAINに劣りますが、stableだし、MAIN,TSLXでしょうか、自分なら。管理人様はTSLXよりもARCCでしょうか。
こんにちは。
削除私は規模の大きいARCCとMAINしか詳しく調べたことがありませんが、TSLXも良さそうですね。
第一順位担保権付ローンが93%ということで景気後退時にはARCCやMAINと比べてディフェンシブなようにも思えますが、上場後の株価推移をみるとボラティリティが大きめですね。
ARCCはリーマンショック時に株価が大幅に下落した割に減配は限定的だったので、次回の金融危機時に同じようなことが起こって配当利回りが高まったら買ってみたいなと思っているので、今のところは投資する予定はありません。