ロスチャイルド卿が率いるRCP(RITキャピタル・パートナーズ)


ロスチャイルド家6代目当主のジェイコブ・ロスチャイルド卿が率いる投資会社RCP:LN(RITキャピタル・パートナーズ)が気になっています。

ロンドン証券取引所にしか上場していないので初めて興味を持ったときにはスルーしていたのですが、サクソバンク証券では取扱いがあるようなので調べてみました。

RCP(RITキャピタル・パートナーズ)

RITキャピタル・パートナーズは株主資本を維持しながら長期的な資本成長を実現することを目標としており、あらゆる資産クラスに投資しています。

もともとはロンドンの名門投資銀行N・M・ロスチャイルド&サンズ内に創設されたロスチャイルド・インベストメント・トラスト(RIT)という一部門でしたが、リスクを恐れないジェイコブ・ロスチャイルドと堅実経営を好むエヴェリン・ロバート・ド・ロスチャイルドが対立し、ジェイコブがRITを率いて独立したのが始まりだそうです。

現在もジェイコブが会長を務めており、彼とその家族が最大株主で21%を所有しています。

RITよりもRothschild Investment Trustのほうがなんかカッコイイ感じがしますよね。ちなみにAnnual ReportにはRothschildのサインが書かれています。
 出典:RIT Capital Partners plc

過去パフォーマンス

1988年8月1日にロンドン証券取引所に上場して以来のトータルリターンは年率12.6%で、ACWI(全世界株式)の7.1%を上回っています。この間のイギリスのインフレ率は約2.6%なので、インフレ調整後のトータルリターンは約10%ですね。
 出典:RIT Capital Partners plc
ジェイコブはロスチャイルド家のなかでは積極的に投資していく投資家のようですが、「Since inception, we have participated in 75% of market upside but only 39% of the market declines. 」と書かれており、かなり堅実な運用を行っているようです。

ただし、2018年11月末時点の過去10年パフォーマンスはACWIを下回っています。上昇相場では出遅れるようですね。ベータ値も0.4604と低いですし。
出典:RIT Capital Partners plc

コスト

外部運用コストを除いたRITキャピタル自身のコスト=Ongoing Charges Figure (OCF)は2017年が0.66%、2016年が0.68%ですが、Operating expensesは2017年が1.03%(28.6÷2,780)、2016年が1.15%(28.9÷2,519)です。
出典:RIT Capital Partners plc
投資信託として見ると高コストに思えますが、こういう形態の場合はどう判断すれば良いのかよく分かりません。今まではコスト控除後でACWIをアウトパフォームし続けてきているので、そこまで高いとも言えないのかもしれませんが。

ポートフォリオ

アセットクラス別では以下のようになっています。ほとんどは株式で運用しているようです。
出典:RIT Capital Partners plc

Quoted Equityは上場株式のことを指しているのかと思いましたが、内訳をみるとヘッジファンドやデリバディブも含んでいるようです。現物株ではCSX(CSXトランスポーテーション)やDBX(ドロップボックス)、ADP(オートマティック・データ・プロセッシング)がありますね。
出典:RIT Capital Partners plc

Financial Timesには2018年9月末時点のポートフォリオが載っていました。細かい投資対象を見ても私には判断が付かないので、こちらを見たほうが分かりやすいかなと思いました。
出典:Financial Times

EPS、DPS、PER、配当利回りの推移(英ポンド建)

EPS、DPS、PER、配当利回りの推移(英ポンド建)です。

投資会社なのでEPSは安定していません。安定的に増配していく方針ではないようで、DPSもしばらく一定だったのが急激に増えたり、不況時には減ったりしています。PERや配当利回りではあまり判断できなさそうですね。
(データはすべて公式サイトのものですが、PERと配当利回りは自分で計算しました。)


EPSDPSPER配当
利回り
2017/12/31142.432.013.781.63%
2016/12/31195.031.09.511.67%
2015/12/31121.430.013.851.78%
2014/12/31129.829.410.762.10%
2013/12/31219.228.05.752.22%
2012/12/31-29.628.0-38.212.48%
2012/03/31-35.74.0-34.170.33%
2011/03/31117.74.011.100.31%
2010/03/31306.34.03.530.37%
2009/03/31-205.27.5-4.050.90%
2008/03/3150.64.022.670.35%
2007/03/3167.03.114.930.31%
2006/03/31270.33.13.770.30%
2005/03/3190.03.17.710.45%
2004/03/31195.93.12.950.54%
2003/03/31-50.23.1-7.400.83%
2002/03/312.23.1192.950.73%
2001/03/31-28.83.1-15.160.71%
2000/03/31100.23.14.380.71%
1999/03/3114.62.223.360.65%
1998/03/3181.52.04.010.61%
1997/03/3117.21.814.100.75%
1996/03/3163.31.73.520.74%
1995/03/31-8.11.6-21.480.91%
1994/03/3141.51.54.120.88%
1993/03/3140.51.22.890.98%
1992/03/316.61.212.911.35%
1991/03/310.72.4131.432.65%
1990/03/31-2.52.6-38.802.72%
1989/03/3129.31.73.891.45%

NAV実績とプレミアム/ディスカウントの推移(英ポンド建)

1株当たりNAV(純資産)と株価、プレミアム/ディスカウントの推移(英ポンド建)です。約29年間で1株当たりNAVは17.4倍、株価は24.1倍になっています。年率換算ではおおよそ10%程度です。

2005年までは純資産に対してディスカウントで取引されていましたが、この数年は7%前後のプレミアムとなっています。


1株当たり
NAV
株価Premium/
(discount)
2017/12/311,839.01,962.06.7%
2016/12/311,730.01,855.07.2%
2015/12/311,573.01,681.06.9%
2014/12/311,483.01,397.0-5.8%
2013/12/311,383.61,260.0-8.9%
2012/12/311,191.41,131.0-5.1%
2012/03/311,249.31,220.0-2.3%
2011/03/311,289.41,307.01.4%
2010/03/311,180.11,082.0-8.3%
2009/03/31874.3831.0-5.0%
2008/03/311,091.61,147.05.1%
2007/03/311,047.31,000.0-4.5%
2006/03/31982.71,020.03.8%
2005/03/31712.7694.0-2.6%
2004/03/31628.2577.5-8.1%
2003/03/31430.2371.5-13.6%
2002/03/31483.4424.5-12.2%
2001/03/31484.3436.5-9.9%
2000/03/31509.0439.0-13.8%
1999/03/31398.6341.0-14.5%
1998/03/31384.1327.0-14.9%
1997/03/31303.5242.5-20.1%
1996/03/31283.2223.0-21.3%
1995/03/31213.4174.0-18.5%
1994/03/31221.6171.0-22.8%
1993/03/31181.1117.0-35.4%
1992/03/31140.785.2-39.4%
1991/03/31131.792.0-30.1%
1990/03/31131.097.0-26.0%
1989/03/31134.2114.0-15.1%
1988/08/02105.981.5-23.0%

Financial Timesによると、現在は+7.43%です。今はちょっと割高ですが、プレミアムが無くなったら試しに買ってみようかなと思います。


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