「社会人としての自覚」とか「社会人なのに学生気分が抜けていない」とか「社会人なら勤務時間外でも飲み会に参加するのが当然」みたいな文脈で使われることが多くて嫌というのもあるのですが、言葉自体に「会社組織こそ社会、それ以外は認めない」みたいな社畜根性が宿っている感じがするので、私は絶対に使いません。
自分で発音すると気持ち悪くなるので、使う必要があるときには「社会人=会社員、働いてる人、労働者、従業員」、「社会に出る=働き出す、働き始める」みたいな他の言葉で言い換えます。
私自身、日本語を正しく使えている訳ではないですし、この言葉にだけ過剰反応するのもどうかと思うこともありますが、もはやアレルギーといっていいくらい苦手な言葉なんですよね。
「社会人」をさす言葉は日本語以外ではほとんど見られない
Wikipediaによると、日本語以外の諸外国語では「社会人」をさす言葉はほとんど見られないんだそうです。社会人(しゃかいじん)は、社会に参加し、その中で自身の役割を担い生きる人のことである。一般的には学生は除外される。 ただし一部の学生も社会人と呼ばれる場合がある。普通に考えると、生まれてから死ぬまでの間、誰もがずっと社会の一部であり続けるのですから、赤ちゃんも退職した高齢者もみんな「社会人」に含まれるはずです。
日本語以外の諸外国語では日本で言うところの『社会人』をさす言葉はほとんど見られない。たとえば英語ではworker(労働者)やadult(成人)、citizen(市民)という単語はあるが、日本語の『社会人』にあたる単語・表現はなく、最も近い言語では『participant in civil society』。
引用:Wikipedia
私の感覚ではこの世界に生まれてきた時点でもう「社会に出ている」ので、会社組織で働き始めることをそう呼ぶのはとても違和感があります。
「社会人」でないのは、他者の助けを一切必要とせず、ただ一人、人里離れた山奥で電気もガスもない完全自給自足生活を送っている人くらいではないでしょうか。それでも土地を借りたり、所有して税金を払う以上は何らかの形で他者と関わる必要があるので、完全に社会と断絶して生きるのは難しそうですが。
私は自分を社会不適合者だと認識していて、なるべく多くの人とは関わらずに生きていきたいと思っていますが、社会と断絶して生きるのはどうやっても無理ですし、仮にできたとしてもそうしたいとまでは思いません。
「社会」という言葉ができたのは明治時代
そもそも、「社会」という言葉は1875年に英語のsocietyの訳語としてつくられるまで、日本には存在していなかったんだそうです。societyなら当然赤ちゃんから退職した高齢者まですべて含まれるはずなのに、いつの間に意味がすり替わったんでしょうね。個人的には非常に違和感のある、気持ち悪い表現だと思います。
昔からネットで同じような意見を目にすることがあったので、そのうちなくならないかなと期待していたのですが、今春も「新社会人」というワードが飛び交っており、全く廃れそうな気配がないのが残念です。
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これ分かります
返信削除なんていうか、奴隷の鎖自慢みたいな雰囲気があって私も嫌いです
リアルでは他に使いやすい言葉がないので仕方なく使うこともありますけど、できるだけ使いたくないですね
なんでこんなに普及してるんだろうなと疑問に思っていましたが、たしかに他にわざわざ言い換えるのが面倒というのもあるのかもしれませんね。
削除私は嫌いな言葉に関してはある種の言霊のようなものを感じていて、この言葉を発すると働きたくないんだという強い意志が汚染されるような感覚があります。
もはや「名前を言ってはいけないあの人」みたいな感じです。
奴隷の鎖自慢は私もなんとなく分かります。
労働者としてはこの言葉を避ける風潮になってほしいなと思います。
社会人、本当に気持ち悪い言葉ですよね。
返信削除排他的で薄気味悪い言葉に感じてしまうので私も極力使わないようにしています。
「ビジネスパーソン」では長くて言いづらいですし、便利な代替語がないので一般的に使われなくなることは当面なさそうですが。
廃れて欲しいとは思うものの、代替語がないので当分廃れないというのは確かなように思えますね。
削除「子供も無職もみんな社会の一員なのに差別的だ」みたいな感じで、ポリコレに基づく言葉狩りで無くなったりしないかなと妄想しているのですが…たぶん無理でしょうね。