S&P500の株価・EPS・DPSのドローダウン推移(1871~2018年)


今回はS&P500の株価・EPS(1株当たり純利益)・DPS(1株当たり配当)のドローダウンを調べてみました。

リーマンショックやITバブル崩壊時の株価のドローダウンはよく目にしますが、もっと長期のものやEPSやDPSのドローダウンはあまり見たことがなかったので、multpl.comのデータを使って作成しました。

S&P500の株価(インフレ調整後)のドローダウン

まずはインフレ調整後株価のドローダウンの推移(1871~2018年)です。過去最高値からの下落率の推移をグラフ化しています。

大きな山から谷までの最大ドローダウンをみると、ワーストは世界大恐慌(1932年5月)の-80.6%、次いで第一次世界大戦後の戦後恐慌(1920年11月)の-70.0%、1982年6月の-62.6%、ITバブル崩壊+リーマンショック(2009年2月)の-58.6%となっています。

1982年頃の不況はあまりイメージが湧きませんが、オイルショック後のスタグフレーションでFF金利が20%近くまで引き上げられ、株価にとっても結構ひどい状況だったようです。
インフレ調整後の株価が高値を回復するまでの期間は、最長が1929年8月~1958年10月の約29年間、次いで1968年11月~1991年12月の約23年間、1906年8月~1928年8月の22年間、2000年7月~2014年10月の約14年間となっています。

始点のCAPEレシオをみると、1929年8月が31.48、1968年11月が22.20、1906年8月が18.96、2000年7月が42.75です。

1929年8月と2000年7月はかなり高いですが、1968年11月と1906年8月は今の感覚では全く割高とはいえない水準です。1968年11月の10年国債利回りは5.70%だったので金利水準を考えると高いのかもしれませんが、1906年8月は3.57%とそれほど高くもありません。

株式投資をする上では、最悪20~30年は実質ベースで株価が戻らないこともあると思っておいたほうが良さそうです。

S&P500のEPS(インフレ調整後)のドローダウン

次にインフレ調整後EPSのドローダウン推移(1871~2018年)です。

大きな山から谷までの最大ドローダウンをみると、ワーストはリーマンショック(2009年3月)の-92.1%、次いで第一次世界大戦後の戦後恐慌(1921年12月)の-87.3%、ITバブル(2002年3月)の-55.3%となっています。

S&P500のDPS(インフレ調整後)のドローダウン

最後はインフレ調整後DPSのドローダウン推移(1871~2018年)です。

ワーストは第一次世界大戦後の戦後恐慌(1920年6月)の-53.7%、次いで世界大恐慌(1935年5月)の-47.2%、リーマンショック(2010年3月)の-25.5%、オイルショック(1976年3月)の-25.3%となっています。ITバブル崩壊は-12.5%程度で済んでいたようです。

DPSは株価やEPSと比べると穏やかですが、それでも過去最悪では半分以下まで減少しています。通常は実質ベースで2~3割の減少を見込んでおけば良さそうです。

株価・EPS・DPS(インフレ調整後)のドローダウン

3つのグラフを合わせると以下のようになります。

リーマンショック以降だけを見ていると比較的短期に高値を回復するものだと錯覚しがちですが、過去を振り返ってみると長期にわたって低迷し続けた時期もあったということを覚悟しておいたほうがいいなと改めて思いました。



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