今回使用した売上高・EPS・DPSはAnnual Report※から拾ってきたもので、株式分割の調整はしてありますが、手入力で量が多かったのでミスがあるかもしれません。S&P500のデータはmultpl.comのものです。
※公式のIRページには2003年以降のものしかなかったので、それ以前は「coca cola annual report」とググって出てきたものから拾っています。1971年より古い数値は見つけられませんでした。
KOの売上高・EPS・DPS・PER・配当利回り推移(1971~2018年)
売上高推移(1971~2018年)
KOの売上高推移は以下のようになっています。47年間で17.8倍、CAGR(年平均成長率)は6.3%です。(最近の売上減少はボトリング事業の再フランチャイズ化によるものです。)
EPS・DPS推移(1971~2018年)
EPS・DPS推移は以下のようになっています。CAGR(年平均成長率)はEPSが8.7%、DPSが10.2%です。対数グラフにすると以下のようになります。
PER推移(1971~2018年)
S&P500のPERと比較すると以下のようになります。KOのEPSが一時的に急減した2007年を除くと、PER平均値はS&P500が19.2に対してKOは25.2です。2007年を除く相対PER(KOのPER÷S&P500のPER)は以下の通りです。
配当利回り推移(1971~2018年)
S&P500の配当利回りと比較すると以下のようになります。47年間の平均値はS&P500が2.91%に対して、KOは2.71%です。現在は高配当株ですが、S&P500よりも利回りが低い時期が長かったようです。2017年を除く配当性向は以下のようになっています。平均値は54.7%ですが、ここ数年は上昇傾向で2018年は100%を超えています。
各成長率・平均PER・平均配当利回り
KOの各成長率と平均PER、配当利回りを10年ごとに区切って表にまとめると以下のようになります。※平均PERの計算では2007年を除いています。
1971年~1980年、2000年~2010年は今と比べると非常に高成長ですが、始点のPERがそれぞれ43.0、69.3と割高だったために株価は低迷しています。
バフェットがKOに投資し始めた1988年頃は高成長かつPERも低めだったようです。
1981年以降は長期金利低下による追い風(PER拡大)がありますが、1980年~2000年はそれを差し引いても凄まじい株価上昇となっています。
(過去記事:長期金利上昇局面と低下局面における米国株のリターン)
(過去記事:長期金利上昇局面ではバリュエーションが縮小する)
ただし、成長率は名目成長だけだと高インフレ時代を過大評価してしまうことになるので、次はインフレ調整後のEPS、DPS、株価をみていきます。
インフレ調整後の実質EPS・DPS・株価
インフレ調整後EPS(1971~2018年)
下表は期間ごとに区切った実質EPS成長率をまとめたものです。実質EPS成長率では1980年~1990年、2000年~2010年でS&P500を大きく上回っており、全期間では1.7%ポイントの差があります。
インフレ調整後DPS(1971~2018年)
実質DPS成長率ではほとんどの期間でS&P500を大きく上回っており、全期間では3.7%ポイントの差があります。
ただし、2010年~2018年ではS&P500を下回っており、最近は配当性向が高くなりすぎて直近の増配率は2.6%にまで鈍化しています。
インフレ調整後株価(1971~2018年)
下表は期間ごとに区切った実質株価上昇率をまとめたものです。実質株価上昇率では非常に好調だった1980年~1990年を除くとまちまちで、全期間では0.9%ポイントの差があります。
この間の平均配当利回りはS&P500のほうが僅かに高かったので、トータルリターンでみるとこの差はさらに縮まりそうです。
KOは成長率ではS&P500を大きく上回っていますが、始点の1971年のPERをみると、S&P500が18.0に対してKOは43.0と非常に割高でした。
いくら超優良株だといってもPERはやはり大事ですね。
ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」によると、高いリターンを残した銘柄の多くは市場平均よりもPERが高めでした。
ただし、これは高PERを補って余りある高成長を達成できたためです。市場平均よりもやや高い期待を更に上回る利益成長があったからこそ、市場平均をアウトパフォームできたということです。
今現在のKOは市場平均よりも高PERかつ低成長なので、将来のリターンは少し厳しそうに思えます。
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飲料、食品メーカーは開発にしのぎを削っているのに、コカ・コーラとかカップヌードルとかリポビタンDとか初期の製品が半世紀位定番である事は良くありますよね。。
返信削除広告宣伝費をかけているとか、ブランド戦略が上手いといった事はあると思いますが、
もしかすると「広い意味での依存性」が大きいのかもしれませんね。
依存性というとイメージが悪いのですが、
1つは、例えば私はカフェイン中毒で、コーヒーを沢山飲まないと頭痛がします。
2つには、例えばペットを子供から飼ったりすると気付きますが、
動物の本能として、子供時分の食生活が一生かなり固定化されます。
コカ・コーラは最も初期は医薬品として開発したようで、
当時のレシピではないですが極秘です。
ドラッグストアには戦前からの定番商品も割合あって、
例えば森下仁丹は大阪の会社ですが、製品は1905年と日露戦争当時の発売です。
仁丹のレシピを見ると、生薬というか漢方薬です。
漢方薬が何故効くのか、西洋医学的には説明できないようですが、根強く売れているのは分かります。
そのような感じで、コカ・コーラのようなお化け商品には「何か」が入っているような気がします。
バフェットも子供時分にコカ・コーラ中毒になったのかもしれませんね。
さすがのコカ・コーラにも勢いが無くなったというお話ですが、
シニアの私から見ると、なるべく砂糖は摂取しない方が良いという社会風潮が20年間位はあると思うので、
コカ・コーラを子供時分に飲まなくなった層が社会の中核になったような気もします。
砂糖の依存性も非常に強いので
「砂糖水」商売は分が悪いのかもしれませんね。
クラフトハインツの業績も悪いですが、バフェットも物が無い戦前戦中世代ですので
「こんな美味しいものが何故売れないのだろう」と、
自分の舌を基準にすると業績悪化が理解できていないような気もします。
管理人さんも段々に年齢を重ねて行くと、自分の嗜好を基準に判断すると
これからの流行とズレが生じるかもしれませんね。
(私は、マヨネーズとケチャップをかけ過ぎると良く怒られます。
入院食のような薄味でも今時は好評なんでしょうか)
バフェットはKHCについては健康志向トレンドよりもAMZNなどのPBの影響のほうが大きいとコメントしていたと思いますが、飲料はPB耐性が高いカテゴリだそうなので今のところは問題ないと認識しているのかもしれませんね。
削除個人的には健康志向トレンドよりも高いバリュエーションが気になるので、成長鈍化を十分織り込んだ株価になるまでは買い増しは避けようと思っています。
私の場合、平均的な人とズレているのを自覚しているので自分の感覚を投資にはほとんど役立てていませんが、段々と新しい情報を追うのは難しくなっていくだろうと思うので、年齢とともに少しずつETFの比率を増やしていったほうがいいかもしれませんね。