低インフレの日本ではあまり差がありませんが、たとえば高インフレのトルコでは4月のCPIが前月比+1.69%だったので、支払い時期を1ヶ月遅らせるだけで実質的な支払額は約1.7%安くなったことになります。
アルゼンチンでは4月のCPIが前月比+3.2%だったので、後払いのメリットがさらに大きくなります。アルゼンチンのクレジットカード普及率は南米でも特に高いそうですが、もしクレジットカードを使っても上乗せ請求されないのなら、還元率が0%でもかなりお得ですね。逆にプリペイドは放っておくと購買力がどんどん減ってしまうので嫌われそうです。
アルゼンチンのクレジットカード普及率は南米でも特に高い。ホテル、レストラン、デパート、現地ツアーの支払いは、ほとんどクレジットカードが通用する。また、クレジットカードを利用し、ATMで現地通貨をキャッシングすることも可能だが、ATM利用料は高額で、一度に下ろせる最大限度額も少ない。
引用:アルゼンチンの通貨・為替レート(地球の歩き方)
ただし、下記ブログによると、年間インフレ率が100%を超えていた1988年のメキシコではクレジットカード払いは歓迎されず、インフレ分は割り増しで請求されるのが当たり前だったそうです。
メキシコではすべての支払いをペソでしましたが、ペルーではホテルと遠距離交通機関(長距離バスと鉄道)の支払いはドルでした。ただ、食堂での食事代などはインティで払ったように記憶しています。クレジットカードの支払いは歓迎されません。入金が1ヵ月後になるだけで、お金の価値は何割も下がってしまうからです。「クレジットカードで払うなら何割増し」というのが当たり前でした。
引用:inti-solのブログ
年間インフレ率100%だったら割り増し請求になるのは当然に思えますが、トルコやアルゼンチンくらいだったらどうなるのか気になります。
また、アリババの支付宝(アリペイ)はプリペイド方式ですが、預けているお金はMMF「余額宝(ユアバオ)」で運用することができます。余額宝の金利は低下傾向にありますが、インフレ率を下回る銀行預金よりは良い運用先となっているようです。あらかじめチャージしたお金がインフレ率以上の利回りで運用することができるなら、インフレ下のプリペイドもよさそうです。
反対にインフレ率がマイナスの場合は、支払い時期を遅らせると実質的な支払い額が増えて不利になります。マイナスといっても現実的にはせいぜい年間で-1%程度でしょうからクレジットカードの還元率のほうが高いとは思いますが、日本が現金信仰といわれるのはデフレが長く続いたことも大きいのかもしれませんね。
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