アルファベットの議決権プレミアム


7/26のアルファベット株は好決算とクラスC株(GOOG)250億ドルの自社株買いで大幅に上昇しました。

議決権なしのクラスC株(GOOG)が前日比+10.45%の$1,250.41、議決権ありのクラスA株(GOOGL)が前日比+9.62%の$1,245.22となり、GOOG>GOOGLとなりました。

本来は議決権プレミアムの分だけGOOGLのほうが高くなるべきです。アルファベットは1株あたり10の議決権が付与されているクラスB株を創業者が保有して議決権を確保しているため、GOOGLの議決権は実質的には意味がありませんが、それでも議決権の価値は僅かでもプラスであるべきです。

GOOGのほうが高いということは議決権の価値がマイナスということになってしまい、これは明らかにおかしい状態なので、時間外取引ではGOOGL>GOOGに戻っているようです。

アルファベットの議決権プレミアム

2014年4月に議決権なしのクラスC株(GOOG)が交付されてからの議決権プレミアム(GOOGL÷GOOG-1)は以下のようになっています。
全期間の平均値は1.87%、中央値は1.83%となっていますが、2015年8月にピーク(5.31%)をつけてからは低下傾向になっており、2018年以降は時々マイナスの日も出てきています。ちなみに2019年以降の平均値は0.42%です。

アルファベットが社員にストックオプションを支給する際には無議決権のGOOGが発行されますが、自社株買いの対象もGOOGなので、理屈ではストックオプションによる発行>自社株買いの場合は議決権プレミアムは大きくなり、逆の場合は小さくなるはずです。

アルファベットは大量の現金を保有しているため、いずれ自社株買いのほうが大きくなって議決権プレミアムは小さくなっていくんじゃないかなと思っていましたが、ちゃんと調べてみるともう既にほとんどプレミアムはなくなっているようですね。私は保有しているGOOGしか見ていなかったので気付きませんでした。

議決権プレミアムはゼロになることはあってもマイナスにはなるのはおかしいと思うので、今後アルファベット株を買うときには無条件にGOOGを買わずにGOOGLと株価を見比べてみようと思います。


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コメント

  1. 議決権のない株なんて株と言えるのだろうか?
    議決権って、株式の価値の本質でしょ?

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    1. 株式の本質は出資比率に応じて配当を受け取るところにあると思うので、私はあまり気にしていません。
      同じ株価だったら議決権のあるほうを買いたいですが。

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  2. 優先株とは違うのでしょうか?優先株なら将来、議決権が無いかわりに自社株買い、配当を多くするなら個人はGOOG、経営陣に意見をいえる機関投資家はGOOGLと保有が分かれそうですね。

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    1. GOOGLとGOOGの違いは議決権の有無だけなので、優先株ETFのPFFに含まれるようなものとはまた別ですよね。
      たしかに将来配当が始まったときにGOOGのほうが多ければ人気化しそうですが、当面は自社株買いのみで配当はなさそうな雰囲気がします。

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  3. 日本の証券会社でアメリカ株を買った場合、日本株を買うのとは違い、
    売買差損益や受取配当金が発生するだけで、
    もともと議決権は無いのではないですか?
    つまり用語は知りませんが、アメリカ株を買っても株主にはなれていない状態と思っていましたが・・

    (外国の証券会社に口座を開いて売買するような場合は議決権もあるのでしょうが、
    日本の庶民には敷居が高そうですね・・)

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    1. 証券会社名義になるので株主総会には出席できませんが、SBI証券では議決権行使はできるようです。
      https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/attention/stock/usstock.html

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