大恐慌とその次(1938年)の不況期の株価推移を調べてみた


レイ・ダリオ曰く、「今が大恐慌、あるいはその次(1938年)の不況期に似ている」そうです。
 参考:冷静に、大恐慌の再来だ:レイ・ダリオ(The Financial Pointer)

ということで、今回はmultpl.comのデータを使って大恐慌後のインフレ調整後S&P500を見てみました。

大恐慌時のインフレ調整後S&P500

まずは1929年1月~1954年12月のインフレ調整後株価です。
1929年9月の高値を回復したのは25年後の1954年9月です。月次の最大下落率は1929年9月→1932年6月で-84.76%です。

ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」ではこの間に株価と比べて配当はあまり減らなかったので配当再投資で保有株を多く積み増すことができ、暴落は長期投資家にとってはチャンスだったという風な記述がありましたが、実際に大恐慌が来たら失業して株どころではなくなりそうなのでマイルドな不況にとどまって欲しいですね。

ちなみに配当利回りは1932年6月には13.84%まで急騰しています。

出典:multpl.com


その次(1938年)の不況期のインフレ調整後S&P500

その次(1938年)の不況期では以下のようになっています。期間は1937年1月~1950年12月です。
1937年2月の高値を回復したのは約9年後の1946年4月です。


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コメント

  1. こんにちは。
     大恐慌以降のアメリカは、最も利益を得た国ですし、
    金融恐慌とパンデミックが同時に来たわけではないので、
    パンデミックを本土の活動破壊とみれば、同時期の英国、ドイツあるいは、関東大震災と金融恐慌なども、参考にできれば良いのでしょうね。

    レイ・ダリオは、アメリカの資本主義の下で成功した人なので
    今後、アメリカが従来のような覇権政策を降りる場合は
    どうあるべきかも考えさせられます。
    発展よりも適切な縮小の方がいろいろ難しいと思います。

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    1. 未来がどうなるかは考えても分からないので結局は国際分散投資が良いんだろうなと改めて思いますね。
      とはいえ、覇権国から転落したイギリスも株式のリターンが悪かった訳ではないので、個人的には米国株は今後も最も有望な投資先のひとつだと思っています。

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  2. こんにちは。
    前の続きですけど、歴史は前回と全く同じ形では繰り返さず、
    現在の状況も、アメリカや日本が、金額が十分かどうかは別にして一時金給付などを始めて、資金繰り倒産や個人の破産を下支えする方針に踏み込みました。

    財政赤字の良し悪しを判断するうえで、MMTとかいう説明が出て、伝統的な通貨の考え方と根本的に違うので、私は生理的に拒否感が出てしまっていたのですが、
    事実上、MMTが推奨する処方箋を始めてしまったので
    日本でも人気の三橋貴明さんなどの言い分を、ちょっと見てみました。

    コロナ禍で(観光、飲食など壊滅的打撃の分野もありますし)失業、倒産が今後ますます増えますので、「後で税金で財政赤字を回収する」ことは不可能でしょう。
    巨額財政赤字とゼロ金利で増え続けるマネーのもとで、どういう経済運営が望ましいのか考えるには、MMTしか希望が持てない、と個人的には「新興宗教に入信」した気分で勉強中です。

    伝統的経済学では、国民不満と総需要過小をしのぐためには戦争への道しかないのかな、と思います。
    北京政府の香港への態度も、中国国内内戦を避けるためには必要という気もするし、
    香港問題をネタにアメリカなどが強力に非難するのも、戦争する場合の大義名分には良いでしょうが、今後どれくらいの戦乱となるのか分からないですよね。

    日本政府の態度がのらりくらりと分かりにくいと思いますが、
    日本政府の中にも、親米と親中が入り混じっていて、米ソ冷戦当時のように、
    国を挙げて対立するような分かりやすい図式ではないなあと思います。

    今日のことろは、自分は感染したら重篤になりそうなので、今後の生活様式の事が気になります。
    多くの人がそうでしょうから、企業ごとに明暗が分かれそうです。

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    1. 感覚的には増えた債務はインフレで減らすしかなさそうに思えますが、今までと同じで余ったマネーは金融市場に流れるのでインフレしないみたいな話もありますし、結局のところどうなんでしょうね。
      まあ当面のところは需要が激減してデフレになるので、これから更に大規模な金融・財政拡大政策をとっても全く問題なさそうな気がしますが…

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