一般的な時価総額加重型は時価総額(株価×発行済株式数)で加重していますが、配当加重型は時価総額の代わりに配当総額(1株当たり配当×発行済株式数)を使っています。
効率的市場仮説が概ね成り立っていると考える人はコストの高い配当加重ではなく時価総額加重を選ぶと思いますが、私はどちらかと言えば配当加重の方が好みです。
しかし、配当加重は無配当の銘柄が除外されてしまうというデメリットがあります。
割安でも配当を出さずに自社株買いで還元する方針の銘柄もあれば、割高でも無理やり多額の配当を支払っている銘柄もあるので、配当加重よりは利益加重のほうが良さそうな気がします。
今まで利益加重型のETFというものを全く知らなかったので調べてみると、利益加重型ETFのEPS(WisdomTree U.S. LargeCap Fund)と売上加重型ETFのRWL(Invesco S&P 500 Revenue ETF)というETFの存在を知りました。
利益加重型のEPSと売上加重型のRWL
下表はETF.comの経費率、PER、PBR、配当利回り、銘柄数、AUMを比べたものです。EPSは不人気ですがスマートベータETFとしては経費率0.08%と低コストですね。下図はセクター比較です。
無配銘柄を除外する配当加重と比べると利益加重・売上加重はそれほどVOOと差がないかなと思いきや、RWLはかなり尖った感じになっていますね。
大型株ETF(利益加重vs売上加重vs配当加重)
Portfolio Visualizerで利益加重(EPS:Portfolio 1)、売上加重(RWL:Portfolio 2)、配当加重(DLN:Portfolio 3)、S&P500のパフォーマンスを比べてみました。期間は2008年4月〜2020年5月です。出典:Portfolio Visualizer |
リターンはS&P500>利益加重(EPS)>売上加重(RWL)>配当加重(DLN)、シャープレシオS&P500>利益加重(EPS)>配当加重(DLN)>売上加重(RWL)となっています。最大ドローダウンは利益加重(EPS)が最も小さいです。
ちなみに利益加重型は他にも中型株ETFのEZM(WisdomTree U.S. MidCap Fund)と小型株ETFのEES(WisdomTree U.S. SmallCap Fund)があります。
売上加重型は中型株ETFのRWK(Invesco S&P MidCap 400 Revenue ETF)と小型株ETFのRWJ(Invesco S&P SmallCap 600 Revenue ETF)があります。
中型株ETF(利益加重vs売上加重vs配当加重)
中型株ETFで利益加重(EZM:Portfolio 1)、売上加重(RWK:Portfolio 2)、配当加重(DON:Portfolio 3)、VO(Vanguard Mid-Cap ETF)を比べてみました。期間は2008年4月〜2020年5月です。出典:Portfolio Visualizer |
中型株ETFではリターンでは利益加重(EZM)>VO>配当加重(DON)>売上加重(RWK)、シャープレシオではVO>利益加重(EZM)>配当加重(DON)>売上加重(RWK)となっています。
小型株ETF(利益加重vs売上加重vs配当加重)
中型株ETFで利益加重(EES:Portfolio 1)、売上加重(RWJ:Portfolio 2)、配当加重(DES:Portfolio 3)、VB(Vanguard Mid-Cap ETF)を比べてみました。期間は2008年3月〜2020年5月です。出典:Portfolio Visualizer |
小型株ETFではリターン・シャープレシオともにVB>利益加重(EES)>売上加重(RWJ)>配当加重(DES)となっています。
大型株・中型株・小型株のいずれでも利益加重はスマートベータのなかではリターンが高く、また最大ドローダウンも小さくなっています。
利益加重型ETFはマイナーみたいですが面白いなと思います。
DEW(ウィズダムツリー世界株高配当ファンド)の利益加重版みたいなグローバルETFがあったらいいなと思うのですが今のところは存在しなさそうです。
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