低金利が必ずしも良いとは限らない


一般的に低金利は割引率を引き下げ、資産価格を押し上げるとされています。

PER=1/(割引率-成長率)=1/(株式リスクプレミアム+長期金利-成長率)

なので、長期金利が下がるとPERは拡大します。実際に過去のS&P500を見てみても、長期金利上昇局面ではPERが縮小、金利低下局面ではPERが拡大しています。
 過去記事:長期金利上昇局面と低下局面における米国株のリターン
 過去記事:長期金利上昇局面ではバリュエーションが縮小する

(約1年前のものなので結構古いですが)バイロン・ウィーン氏の早見表では特に長期金利と株価の関係が分かりやすいです。
低金利は株式を保有している投資家にとっては良いことのように思えますが、ニューヨーク大学アスワス・ダモダラン教授のブログ「Musings on Markets」に以下のような記述がありました。
 参考:A Viral Market Update IX: A Do-it-Yourself S&P 500 Valuation
To the counter that it is low interest rates that are keeping the index level high, my response is that low interest rates cut both ways, first by lowering the discount rate (and thus increasing value) but also by signaling much lower growth in the long term (which I capture by lowering growth in perpetuity to the risk free rate).
引用:Musings on Markets
低金利は短期的には割引率低下を通して株価を上昇させるものの、長期的には低金利は低成長を意味するのでマイナスだそうです。

これは以前にも書いたのですが、名目長期金利は名目GDP成長率に近似します。
 過去記事:名目GDP成長率と長期金利の関係

出典:FRED

ダモダラン教授は2020/6/1時点のS&P500のフェアバリューの計算にあたって、永久成長率を長期金利と同じ0.66%としています。
(個人的には米国の名目成長率が0.66%にとどまるというのは悲観的すぎるように思えますが…)

出典:Musings on Markets

金利が下がると割引率と一緒に永久成長率も下がるので、バイロン・ウィーン氏の早見表ほどは金利に対して敏感ではなくなっています。
(PER=1/(株式リスクプレミアム+長期金利-成長率)とした場合は長期金利=成長率ならPER=1/株式リスクプレミアムとなり、PERは長期金利には左右されなくなりますが、上のシミュレーションでは金利が下がったほうが理論株価が高くなります。)

ちなみに現在のS&P500はダモダラン教授のシミュレーションでは80パーセンタイルに位置しているそうです。

出典:Musings on Markets



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