S&P500の設備投資とR&D費の推移を見てみると、2007年のR&Dは設備投資の35%でしたが、2018年には46%、2019年、2020年には約50%まで増えています。
出典:ZeroHedge |
もっと長期のものを探してみると、1999年のR&Dは設備投資の31%でした。
出典:ValueWalk |
昔に比べると費用処理されるR&D費が大きくなっているため、S&P500のPERはそのぶん実態よりも高めに出ていることになりそうです。
Price-To-Innovation-Adjusted Earnings
R&Dが大きいイノベーティブな企業を評価するための「Price-To-Innovation-Adjusted Earnings」というPERがあるそうです。出典:Investopedia |
分母のEPSに一株当たりR&Dを足し戻してPERを計算するので、R&Dが大きい銘柄ほど通常のPERよりも低くなります。
GAFAMのEPSと1株当たりR&D
実際にEPSに1株当たりR&Dを足し戻すとどんな感じになるのか、Morningstarのデータを使ってGAFAMのEPSと1株当たりのR&Dを計算してみました。GOOGL(アルファベット)
AMZN(アマゾン)
FB(フェイスブック)
AAPL(アップル)
MSFT(マイクロソフト)
GAFAMのPrice-To-Innovation-Adjusted Earnings
TTMのEPSと1株当たりR&Dを使ってGAFAMのPERとPrice-To-Innovation-Adjusted Earningsを計算してみました。PERは29.04〜142.69ですが、Price-To-Innovation-Adjusted Earningsは17.23〜31.49とかなり低くなります。
(AMZNは-78%、GOOGLは-44%、FBは-41%、MSFTは-29%、AAPLは-23%です。)
R&D全額を単純に足し戻しているだけなのでこれで判断すると大幅に過大評価してしまうことになりますが、全額を費用処理するのは保守的すぎるのは間違いないと思うので、参考程度にはなるんじゃないかなと思います。
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