NGEのおかげでETFの優秀さを再確認


前回の記事ではNGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)のNAVに対する大幅なディスカウントは、USD/NGNのブラックマーケットでのレートや将来のさらなる大幅通貨切り下げが織り込まれているのでは?ということを書きました。

(少なくともある程度は通貨切り下げが織り込まれていると思うので、過度に切り下げを心配する必要はないのかなと思っています。)

 過去記事: MSCIナイジェリア、年初来でACWIをアウトパフォーム&米国に肉薄するも…


ナイジェリアのように公式レート以外に複数の為替レートが存在する国の場合、現地通貨建ての原資産を米ドル換算する際にどのレートを適用するかによってNAVが大きく変わってしまいます。

(現在USD/NGNと検索するとBloombergやTradingViewでは380前後となっていますが、Black Marketで検索すると460前後で、20%程度の差があります。)


投資信託の仕組みは全く詳しくないのでよく分かっていませんが、もしNGEが投資信託だったとしたら原資産の流動性が低下したとして解約停止とかになっているんじゃないかなと思うので、大幅なディスカウントとなりながらも普通に取引できるETFの便利さを改めて実感しました。

(ナイジェリア株投資信託とかはそもそも作られないと思いますが…)

コロナショック下の債券ETF

ほかにもコロナショックでは社債市場の流動性がなくなったことで、たとえばLQD(iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF)はNAVに対して5%ディスカウントで取引される場面がありました。

(その後FEDが社債ETF買い入れを発表したことで今度は反対に5%プレミアムとなったあと正常化しつつありますが、以前よりは乖離しやすい状況が続いているようです。)

出典:iShares

BND(バンガード・米国トータル債券市場ETF)に至ってはさらにひどいことになっていたようです。

出典:ETF.com

原資産の流動性がなくなっても取引できるというのは便利な反面、コロナショック下の債券ETFのように過剰反応して実際の価値よりも安い価格で叩き売ってしまうリスクもあると思うので、狼狽売りしないようにだけは気をつけたいですね。




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