年初来で好調なMSCIナイジェリア
MSCIナイジェリアの米ドル建てトータルリターンは年初来で+10.93%となっており、MSCI ACWI(全世界)+6.62%、MSCI EAFE-3.57%、MSCI EM(新興国)+6.92%を上回り、MSCI USAの+12.41%に肉薄しています。
過去記事:MSCI指数データのダウンロード方法
ただし、過去5年間でみるとひどいことになっています。
ただし、過去5年間でみるとひどいことになっています。
各国カントリーETFの年初来トータルリターン
そういう訳で2020年のナイジェリア株は比較的好調なのですが、MSCI All Nigeria Select 25/50 Indexに連動するNGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)は年初来-14.78%と各国カントリーETFのなかでも下位に甘んじています。
これは当ブログでは何度か記事にしているのですが、NGEは11/4時点で-20.56%と凄まじいディスカウント(NAVに対して取引価格が20.56%低い)で取引されているためです。
実際にはNAVよりもETF取引価格のほうが正しそう
NAVが正しいとしたらディスカウント解消分の追加リターンも得られるのではと期待してしまいますが、ナイジェリア・ナイラには公式レート以外の為替レートが存在するため、NAVが正しいのかは怪しいです。
一度NGE構成銘柄のナイジェリア・ナイラ建て株価をもとにNGEのNAVを計算してみたことがあり、その時はNAVは実勢レートで計算されているんじゃないかなという結論に至ったのですが、やっぱりETF取引価格が正しいんじゃないかと思っています。
上記記事を書いたあとUSD/NGNの公式レートは361→380に切り下げられ、公式と実勢レートの乖離はほとんど無くなりましたが、ブラックマーケットでは現在460前後で取引されているようです。
(今年8月にはゴールドマン・サックスが「今後12~18ヶ月以内に大幅なナイラ切り下げが行われる可能性が高く、USD/NGNレートは500~550が望ましい」と言っていました。今年6月には5年ナイラ先物が578に達したという記事もありましたが、どこで先物が見られるのかはよく分かりませんでした。)
ブラックマーケットと公式/実勢レートの乖離は約-17%となるので、ETF取引価格にはブラックマーケットのレートや将来のさらなる大幅切り下げが織り込まれているということなのかもしれません。
コロナショックでも債券市場の流動性がなくなったためにETF取引価格がNAVに対して大幅にディスカウントで取引されるという珍事がありましたが、NGEもこれと同じくNAVではなくてETF取引価格が正しそうな気がします。
ということでディスカウント正常化ぶんの追加リターンは望めなさそうですが、2020年10月末時点のMSCI All Nigeria Select 25/50 IndexはPER5.75、予想PER5.17、配当利回り6.93%と依然として非常に割安に見えますし、今後のNGEに期待ですね。
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